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 新釈『氷点』2009  発表会
「そうなの、被疑者には娘がいるの? あ、そうか、被疑者ね」
「そうですよ、先生、被疑者死亡のまま送検されると思いますが・・・・・」
 自分の雇い主にそう答えた青年は、赤いネクタイがグレイのスーツに似合っていない。センスが残酷なほどに破壊されているのだ。しかし、仕事は至ってまじめで、春実の期待を裏切ったことはない。

「だけど、先生ほどの人がどうしてこんな仕事を承けようとなさったんですか、国選弁護人なんて」
「この手の犯人には同情を禁じ得ないわ」
「幼女殺人犯にですか?」
 驚きと意外性を表情に混ぜ合わせて、表情を造り出す。
「犯罪なんて、複雑な計算の結果よ、社会という方程式に因果を混ぜ合わせた結果ね、髪神の意志とでも言うべきだわ。何?私みたいな人間がそんな単語を言ったことがあまりにも意外かしら?」
「いえ・・・・・・・・」
 青年は、言葉を失った。

「私は、ねえ、自分たちがいかにも正義漢ってカオをする人間が許せないのよ、マスコミとか検事、ケーサツによくあるタイプね」
 雇い主、こと、財前春実弁護士は、青年に渡された書類を広げた。
「そう、・・・・え?辻口記念病院? 啓三のところじゃない・・・・」
 その時、春実は美貌に狐を潜ませた。青年は雇い主の上目遣いに、何か憑きものが降りたのではないかと本気で錯覚した。
「わかったわ」
「え?」
 顔の表面を剥ぎ取られたような奇妙な表情だった。春実はそんな顔に容赦なく言葉を突きつける。
「新しい仕事の件はキャンセル、用ができたわ。付いてきなさい、あなた秘書件、運転手でしょう?」
「え? 先生、あさま銀行の件ですよ」
 青年の申し出を無視して、春実はハイヒールに髑髏の音楽を奏でさせた。
 その音があまりにかまびすしかったので、春実の囁きを聞くことが出来なかった。
―――あの女、ぜったいに許せないわ!!

 新釈『氷点』2009


 キャスト
辻口陽子 :海崎照美
辻口夏枝:浅野篤子 
財前春実:池上貴見子(25歳)
辻口啓造:三浦友数
辻口薫子:未定
村井靖夫:未定

          急告!
 
 この度、新釈『氷点』2009を発表することになりました。突然の報告になりますがくれぐれもよろしくお願い申しあげます。


『新釈 氷点2009 1』


 青年がエンジンを踏むと、黒塗りの国産車はうなり声を上げた。それは生命の呼吸を思わせる。
 背後で扉が締まると意志の強さを感じさせる女の声が聞こえる。
「谷崎君、啓三のところね」
「え? もしかして、辻口 ――――さんとお知り合いなんてすか?」
 突然のことなので、敬称をつけることを忘れるぐらいだった。国選弁護人としてこの事件に係わろうとしていた矢先のことだ。そのために秘書兼、運転手である谷崎は、ある程度の情報を得ていたのである。
「啓三と彼の奥さんとは、幼馴染みよ」
「ということは、親友の娘を殺した犯人を弁護しようとしていたんですか?」
 悪魔の笑みを浮かべて口を開く。

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『新釈 氷点2009 2』

 啓三は、ただ黙って机の上にあるものを見つめていた。それは彼の家族のポートレイトだった。自分と妻である夏枝、そして、二人の前に長女である薫子が立っている。そして、その前にはお客用の豪奢な椅子が置かれ ――――。
 その上には ―――――。
 次期城主の視線は写真の中の聖域に注がれていた。それは、現在の彼がけっして見てはならないものだった。何故ならば、彼じしんの精神の健康を非常に害する危険を内包していたからである。  しかし、何十キロも走ったランナーが水を求めるように、愛娘の顔を探しあてていた。

「ルリ子!!」

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『新釈 氷点2009 3』

 家族を見送り終わった夏枝はしばらく空を見ていた。蒼天という言葉はこのためにあるのだと思わせるくらいに、透けるような青空が広がっている。
――――これから、ずっとこうだといいわ。
 自分に言い聞かせるように、空に視線を遣ると、人の背の二倍くらいはある板チョコのようなドアを閉めた。
 玄関を入ると客人は正面にある絵画に魂を奪われることになる。キュビズムと言うべきか、それともシュールレアリズムなのか、大抵の客人は評価に苦心することになる。
長崎城主の邸宅ともなれば、客人の数は、普通の家の倍増しとなる。彼らは、この絵をどう批評しようかと頭を悩ませる。
 ところが、彼らは総じて同じ感想を持つ。
 それは、この絵が醸し出している圧倒的な幸福感である。

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『新釈 氷点2009 4』
「そうだ。学校戻らなきゃ ――――」
「陽子ちゃん!?」
 まるで他人事のように言う陽子。夏枝と春実から見るとあまりに現実感が欠けているように見える。 いわゆる素人芝居にありがちなぎこちない動きと台詞回しである。
「音楽の授業で合奏をやるのよ、それにはねえ、陽子はヴァイオリンの担当になったのよ、それなのに ――――」
「陽子!」
 夏枝の耳には、合奏が合葬に聞こえた。それは春実も同じ思いだった。
「陽子ちゃん・・・・・・」
 改めて見ると、己の罪が服を着て歩いている。しかし、どうしてこんな愛らしい罪があったものだと、変なところで感心させられる。
―――――自分たら、この非常時に!!

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『新釈 氷点2009 5』
 辻口建造が自宅に足を踏み入れたとき、なぜか名状しがたい不安を覚えた。俗に虫の知らせというが、建造は意外とそのようなものを信じるほうだった。
 いわゆる経済高度成長時代の青年、しかも、医師などという職業に就いていた人間にはありうべからざる態度であろうが、時代を先取りしていたのか、その反対だったのか、周囲にいる者たちは判断しかねた。

―――何かあったのか?
 その不安は、妻の顔を見ると完全に現実化した。
「夏枝、何かあったのか?」
「あなた・・・・・・・」

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『新釈 氷点2009 6』

 ルリ子の墓参りはしとしとと、いささか鬱陶しい雨が降りしきる日に行われた。
 初夏だというのにやけに雨に濡れた肩が冷たい。助手席に座る夏枝は、バックミラーで愛しい娘の顔に視線を送っている。
 銀色に鈍く輝くフィルムからにょきっと花束が生えている。それは、まるで雨後の茸のように見えた。やけに元気に見えるのは、持ち主から栄養を奪っているからにちがいない。
 俗にそれは寄生と呼ぶのだろうが、夏枝はそれを嫌な記憶ともに呼び起こしていた。それは、彼女が少女時代、家族でパリに旅行したときに美術館で見た絵画のことだ。『寄生』と題されたある有名画家の作品だが、無数の茸が美しい少女からにょきにょきと生えていた。
 夏枝はそれを見たとたんにトイレに駈け込んだものだ。寄生されている少女はそれは美しい少女だった。ちょうど横にかけられているラファエルロの作品に棲まう少女のように、この世のものとは思えないほど清らかで美しい少女だった。

――――ちょうど今の陽子のように。

  

『新釈 氷点2009 7』

少女は一体何処にいたのだろう。
 気がつくと、寺の庭崎に設えられた座席に未発達の尻を乗せて、遠くに息づく長崎の町並みを眺めていた。

―――あそこにお父様の病院があるのかしら?

 紺のブレザーは心なしか露を散らしていた。水晶の珠をあしらっているのだ。建造は、娘の胸を見ていた。年齢に相応しくこんもりと盛り上がりつつある。その頂点の部分には他の部分よりも余計に宝石が乗っているような気がした。

――――もう、年頃なのだな。一昔前ならば、嫁入りもそう遠いことではない。

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『新釈 氷点2009 8』
 はたして、夜明けはまたやってきた。窓の外に顔を出しているのは、安価なインクでべた塗りしたような陳腐な太陽だ。
 なんと不快な朝か。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
 ――――来てしまった。朝なんて二度と来て欲しかったのに!
 寝具の上で長崎城婦人は我が頭を摑んだ。しばらくその姿勢のまま、あまりに冷酷な朝日を恨むしかなかったが、隣に城主が寝息を立てているのに気づくと、急いで姿勢を元に戻した。
 「う・・・・、どうした、夏枝、日曜日だと言うのに、こんな早く?」
「いえ、嫌な夢を見たものですから」
 夏枝はかぶりを降って、夫の視線を巻こうとした。
 しかし、短く別れの言葉を残すと、建造はすぐにもといた夢の世界へと舞い戻ってしまった

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『新釈 氷点2009 9』

 夕食が済んで3時間が過ぎていた。
 長崎城主婦人は台所で食器棚を整理している。瀬戸物が発する銀色の音に誘われたわけではないが、陽子が入ってきた。
「お母さま・・・・・・」
「あ、陽子?!」
 おずおずと母親を上目遣いで見る娘に思わず息を呑む。
 思えば、この子にはいつも気を遣ってきたものだと思う。強いて優しくしてきた、言い換えればスポイルしてきた。それがこの結果である。少し冷たくしただけで、この体たらくである。塩を掛けられた青菜のようにしゅんとしている。
 しかしながら、そんな陽子を見せつけられると、自分の中に虹色の卵を発見して、とことんいやな気分を味わうのだった。その卵が孵ると陽子に対する情愛がぴーちくと歌を歌い始めるのである。
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『新釈 氷点2009 10』

 翌朝、渋る陽子を説得して病院に行かせることになった。
 その任を担ったのは、言うまでもなく長崎城主だった。午前10時に、母親である夏枝が連れて行くことになっている。
 新緑がかまびすしい季節なのに、車内は零下になっていると、陽子は思った。
「お父様ったら、どうして、こんなに心配性なのかしら」
「陽子、あなたのことを思ってのことなのよ」
エンジンにキーを差し込みながら言った。夏枝は思う。

――――どうして、建造!? あなたはこの子が誰の娘なのか、わかっていたんでしょう!?それなのに、よくも父親面して、私の前に立てたわね!?

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『新釈 氷点2009 11』

 辻口陽子が帰宅したのは昼食を母親と取った後だった。本来ならば、仲のいい母娘がどういう理由からか始終無言を通していた。そのレストランは辻口家に馴染みの店だったために、普段と違う二人の様子を目の当たりにして店主は不思議に眺めたものである。
 二人の頭の中はまったく違う考えが支配していた。母親は娘に対する憎しみと愛に引き裂かれ、娘は、かつて、経験したことのない羞恥心に身を焼かれて、まさに自愛の最中だったのである。
 だから、二人は同じレストランにいようとも、アフリカとアラスカに別れているのも同様だった。

 だが、辻口家の三女は帰宅して、室内用のスリッパに右足を挿入したとたんに、母親に対して自己主張するという、彼女の性向からすれば実に革命的な出来事を起こした。
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『新釈 氷点2009 12』



 そこはかとない眠気だった。
 しかしながら、よく考えれば、その理由は明かである。昨夜は絶え間のない尿意のためによく眠れなかったのである。それが今になってやってきたのだろう。
 娘の手が止まったのを確認した夏枝が同じことを繰り返した。
「どうしたの?陽子ちゃん、やっぱり、口に合わない?」
「そ、そんなことないですわ、お母さま・・・・・・」
 娘は何事もないように、スープを口に運び、そして、肉にフォークを刺し入れる。
 だが、美味しそうに湯気を立てる料理にはとんでもない秘密が隠されているのだ。料理を作った彼女だけは知っている。かつて、彼女が小学生のころ、生まれて始めて料理を作ってみたときのように、凄まじい味になっているはずだ。
 味というのは割合の問題である。その配合を少し替えただけでも、美味になったり、あるいは人間の食べるものとはおもえないとんでもない味になったりする。

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テーマ:萌え - ジャンル:アダルト

コメント
いつもお世話になっております。
変態小説の愚人です。

コメントありがとうございました。

是非とも相互リンクお願い致します!!

今後とも末永く宜しくお願い致します!!
2009/10/20(火) 23:55:39 | URL | 愚人 #-[ 編集 ]
こんばんは!黒い教室やみげんです。

リンクのお誘いありがとうございました。こちらからもリンクさせていただきました。

「いじめ」への執着がハンパ無いですね^^
ウチも頑張らねば!

今後ともよろしくお願いいたします。
2009/11/30(月) 22:27:40 | URL | やみげん #cK30x2fQ[ 編集 ]
やみげんさん、相互リンクの受託してくださり、ありがとうございました。
 怖れながら、これからも互いに切磋琢磨してがんばっていきましょう。

 では、これからもよろしくおねがいします。
2009/12/02(水) 23:07:49 | URL | cesare borgia #-[ 編集 ]
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