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『由加里 108』



 照美の、もちろん、手術用の手袋で覆われた指が由加里の膣の中に侵入してきたとたんに浮かんできた映像がある。真野京子と藤沢さわの顔だった。
 同時に声まで聞こえてきた。必ず、自分を守ると、二人の同級生は誓ってくれた。ここで、照美に白旗を立ててしまったら、あれほどまでに自分のことを思ってくれているふたりを、いや、彼女たちだけではない。鈴木ゆららを始めとする、その他のクラスメートたちの行為まで完全に無にしてしまう。
 絶対に、負けてはならない。由加里は、かすかに口腔内に力を込めた。それは、歯を食いしばって、といえるほど外見から明らかではなかったが、目ざとい二人には簡単に見破られていた。
「どうしたの?西宮さん?」
「・・・・!?」

 しかし、照美は、ここで「誰かが味方にでもなってくれると思った?」などと軽々しく手の内を明かすようなへまはなしない。ここは、完全に知らない顔をして、由加里に、自分が秘策を秘策のままにしておくことが、今の照美の方策である。すべてを知った時の、奴隷の絶望的な顔を見るのが楽しみなのだ。
だが、そんな照美の楽しみに水を差すような声が聞こえた。
「照美、もう9時半だな」
もう、そんな時間なの、と照美は美しい顔を本棚の上に置かれた時計に向ける。
9時半になったらいったい、どんなことが起こるのだろうと由加里は二人の顔をみたいとおもったが、もはや、首と顔の筋肉はまともに動いてくれない。ただ、涙がぽろぽろと目から零れてくる。
その滴の一滴が右手の甲に落ちた。
「・・・・・」
少女は何かを決意した。しかし、それはすぐにはわからなかった。だが、しだいに自分がクラスメートたちを信じようという気になっていることに気づいた。おもいっきり右手を握りしめる。それは知的な美少女の決意だった。すぐに言葉にして示した。
「わ、私、帰ります・・・」
照美は、できるだけ無反応のふりをして言う。
「最後に言っておいてあげる・・・」
「・・・・・!?」
 由加里は、これまで抑え込んできた感情を垣間見せるように、照美を睨み付けた。ほ一筋の涙が頬を伝って顎に達したが、それは先ほどの涙とはまったく意味あいが違っていた。
照美は、満足だった、彼女は自分の奴隷の意図を完全に見抜いたのである。
「あなたの意志はわかったわ。だけど、いちおうは、言っておいてあげる。最後のチャンスよ、心して聞きなさい」
まるで教師が不良少年に最後のアドバイスをするような調子だ。だが、その言葉の内容はまったく表面から受ける印象と裏腹だった。はるかは、それがおかしくてたまらないが。ここは親友の舞台を壊したくないので黙っていた。
「オナニーしてみせてくれない?」
「いや・・・・絶対にイヤよ!そんなの!!」
いっしゅん、由加里が照美に唾を吐きかけたように見えたので、はるかはぎょっとなった。だが、それは文字通りの意味において吐き捨てるように、言ったのである。それほど大げさに顔をしかめたのである。
だが、由加里がそんなことをするわけがないと、思いなおした。
しかし、こうやって事態を俯瞰したように眺めている自分と、二人との間に距離を感じてしまうはるかだった。
「こんなときに自分はどうしてこうまで冷静になってしまうのだろうかと、アスリートの卵は多少なりとも口惜しい。どうやら、それが物書きの性であることに、彼女はまだ気づいていないようだった。今回の件でもそうだが、物語を創るのは楽しい。だが、それはあくまでも知的な娯楽であって、本気でやっているテニスとはまったく違うのだ。
そろそろ、自分にも台詞が回ってくる番だと、はるかは由加里に近付いた。こちらを向く由加里の顔をみて思うことは、ただ、長い眉毛に涙がいっぱい溜まっていて重そう、その一言に尽きる。そんな様子に髪の毛の先ほどの慈悲も与えずに言い放つ。
「西宮、それがどんなことを意味するのか、わかっているよな?」
「・・・・・」
由加里は、黙って立ち上がると玄関に向って歩き出した。ふらふらと足はぐらつくし、恥ずかしい液で股間が粘つくので大変に気持ち悪いが、ようやく一歩を踏み出す。それは新しい世界へのドアを開く一歩のはずだった。彼女はすでに照美の家にいないような気がした。彼女が属する教室でかつてのようにクラスメートと笑いあっている自分がいる。
だが、いくらなんでもそれは気が早すぎると自覚する。照美の家は非常に広い。ただでさえ、中の上から上の下という階級に育った由加里であっても、驚くほどの面積、それは、すこしばかり古風な言い方になるが、屋敷といっても過言ではない。
それは、照美の恐ろしさの深さが尋常ではないことを暗示しているように思えて震えが止まらない。だが、それを敵に見せるべきではないとなけなしの勇気を振り絞ってもう泣かずに外に出ることに気づいた。

外気に触れると、初夏とは言ってもまだ夜は肌寒い風を纏うことになる。思わず猫背になってしまう。もっとも冷たく感じるのは、照美たちに弄られていまだに濡れそぼっている性器の周辺がおぞましい冷たさで満たされているし、そこから粘液が糸を造って膝小僧まで達している。それだけでは済まずになおも領域を広げようと企んでいる。
「・・・・・ヒ!?」
由加里は、思わず上体を曲げた。あたかも、そうすれば気持ち悪い面積が増えずに済むかのように思っているようだ。彼女ほど知的な人間が、その行為の無意味さに気づくのに、いざ経験してみなくてならなかった。既に愛液は白い靴下を汚染しはじめている。それを見ると少女はさらに惨めな気持ちになった。
ここまで玄関を通るまでは上背を張っていたのに、これでは農作業をしているおばあさんと変わらない。
そうだ、ここは外なんだ。そして、自分はとても恥ずかしい恰好をしている。
「・・・・・!?」
自分があられもない恰好であることに気づいて思わず胸と股間を抑えた。そして、次の瞬間にオナニーをしているのではないかと疑われることが怖くなって両手に自由を与えた。だが、腰は、老人のように曲がったままである。
由加里は、壁に立てかけられている自転車が、あたかも誰かよって用意されたもののように思われた。だが、よく考えてみればそれは親に買い宛がわれたものであって、ここまでそれに乗ってやってきたのだ。まるでさきほどの威勢は何処へやら、少女はサドルに跨ると帰路に就いた。
グチュウ・・・という音が少女の耳を真っ赤にする。見なくても下半身がおもらし状態になっているのがわかる。
「ウウウ・・・」
濡れた生地はいささか固くなって少女の下半身に突き刺さる。
無尽蔵であるかのように涙が流れてくる。腫れた顔に染みて悪寒が走る。視界に涙が羽をはやして飛んでいくのが見える。夜風も手伝って、それらは夜の街に飛び跳ねては消えた。それに由加里が気づくことはなかった。

一方、彼女にこんな哀しい思いをさせている本人もまた、泣いていた。だが、こちらは夜の涙散らしとちがってその悲しみと怒りを抱きとめてくれる友人がいた。
「私、人間じゃないみたい・・・」
泣きながら茫然となっている照美に、親友は言葉をかけてくれない。ただ、その代りに強く抱きしめてくれた。腕と脊椎がねじれて悲痛な音を立てていたが、黙ってそれを受け入れたその痛みに耐えることで、何が清算されるような気がしたからだ。
はるかは、親友のように自分の感情に溺れているわけにはいかない。そもそも、そのような性癖がないということもあるが、自分たちの奴隷がいなくなったいま、やるべきことがあるのだ。
携帯を取り出した。かけるべき相手は藤崎さわである。
 何処か投げやりな声を携帯の向こうに投げつける。
「藤崎さん、今、何をしてる?」
「ぁ・・・鋳崎さん?」
 少し、戸惑ったような返事が携帯の向こうから響いてくる。しかし、思いなおしたように返事が返ってきた。
「京子と、中間の最終チェックを・・・」
「そうなんだ、細工は粒々・・・・なんとやらだね、おっと、これは国語のテストに出るかもよ」
 さわは、全身の震えが止まらない。
 恐ろしい笑い声を送ってくる主が、藤崎さわは自分と同じ年齢のクラスメートには思えなかった。京子と話して断ろうと決めていたのだが、決意は簡単にぐらついた。
「テスト勉強はうまくいってる?教えにいってやろうか、照美と一緒に」
 とたんに美少女の上品な横顔が頭をよぎる。たしかにきれいなのだが、何処かとっつきにくく、さわは苦手だった。だが、彼女が由加里いじめの首謀者だとは気付いていない。
 喉元をすぎて、いや、それどころか食道をはるかにすぎて胃にまで達してしまった食べ物を引き戻すように言葉を発する。
「・・・う、大丈夫」
「なら、台本の2ページの三行目を読んでみようか」
「ヒ・・・・」
「あれ?覚えてないの?そこはこうだよ、もう、みんなこんなひどいこといつまで続けるつもりなの?!いいかげんに止めようよ!西宮さんがかわいそうだよ!!・・・・・くくくく」
「い、鋳崎さん!?」
 押し殺したような笑いはしだいに抑えを破って果実の中から食い破ってくる。
 この人、アクマなんだ。ぜったいに、あたしたちのこと離してくれない。もしも裏切ったら殺される。
 冗談ではなくて、そんな思いがさわの純真な心を侵食していく。
「90年代特集、次はラルクアンシエルの『浸食』」
 ラジオからは、あたりまえのことだが完全に他人事、呑気な発語が少女ふたりの耳をつんざいた。
 どうやら、その声は携帯の向こう側にも響いているようだ。
「へえ、藤崎さん、ラルクなんて聞くんだ。それ聞きながらでいいから、今、言った台詞、言ってみてよ」
「え?・・・」
 はるかの声は、そのロックバンドが楽曲の特長である、ある種の投げやりさに満ちている。
 さわは、京子に目で合図する。それだけで通じないと思ったのか、指をさす。
 真野京子は、親友の様子にすべてを悟ったのか、たいした抗議もせずにノートを持ってきた。
 家族の名前が掲載されているかもしれない、死者目録を渡された、災害被害者のようにそれを奪い取ると命じられたページを開いて血走った眼を走らせる。すべては、自己保身のため、命がかかっているのだ。
「もう、みんなこんなひどいこといつまで続けるつもりなの?!いいかげんに止めようよ!西宮さんがかわいそうだよ!!」
「だめだな。演技力がゼロだよ、藤崎さん、もうリハができないんだからね」
「リハって?」
 いったん、火が付いたはるかの喋りを止める手立てはない。心にもないことを天賦の才能に乗せて捲し立て続ける。
「藤崎さん、かわいいから女優になるんじゃないの?それじゃ先が思いやられるな。リハってリハーサルのことさ」
 「ア・・明日までにちゃんと言えるようにしておくから」
「そう・・テストも頑張ってね・・・じゃ、お休み・・・・」
 さわの言葉などまったく聴いていないかのように一方的に切られた。べつに残されたわけでもないのに、少女たち、いうまでもなく、藤崎さわと真野京子だが、彼女らはたったふたりで世界から取り残されたかのように錯覚した。
「べ、勉強しようよ・・・・」
 そう言って震える手でさわが摑んだのは、はるかの書いた台本だった。

テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト

コメント
一気に『由加里』読んでしまいました。最高ですね。これからの展開楽しみにしてます。
2014/08/14(木) 19:14:30 | URL | なお #-[ 編集 ]
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