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『由加里 93』
  
 
 海崎照美と西宮郁子が病院を後にした、ちょうどその時、由加里は看護婦の毒牙にかかろうとしていた。
 短髪を茶色に染め上げ、肌をも焼いたその姿からは、もしも淡いピンク色のナース服をきていなければとうてい看護婦には見えないだろう。20歳の半ばを優に過ぎているのだが、そのような風体からまだ20歳そこそこ、間違えれば19歳ていどに見られてもおかしくない。
 看護婦は、由加里を見るとほくそ笑んだ。
しかしながら、彼女にそのような趣味が以前からあったわけではない。べつに今でもそのような趣味があるわけではないが、ふと何かの拍子に催してしまったのである。
 かつて、妹の自慰の現場を、彼女が中学のときに押さえたことがあるが、少しばかり悪戯してやったことがあるのだ。
 それから、10年経って同じようなことに巡り会うとは夢にもおもわなかった。患者の少女の華奢な肩がこころなしか震えていた。同性の直感から、彼女が性的な刺激によって悶えていることは簡単に予測できた。
「あら、由加里ちゃん、妊娠でもしたのかな?」
 ちょっと、口が滑ったかもしれない。そこまで言う必要がないとも考えたが、怯えきったあどけない顔をみているうちに、自然と嗜虐心が育ってしまった。
 相手を侮辱しようとわざと赤ちゃん言葉になるのは、彼女にとってみれば上司に当たる似鳥可南子の真似をしているわけではない。
 ただ、由加里にとってみれば、可南子以外の看護婦からもこのような扱いを受けるのは耐え難い恥辱だったにちがいない。
「さあ、看護婦さんに話してみようね、一体、何をちていたのかしら?」
「・・・・・」
 
 知的な美少女は、何も言えず俯くだけだ。看護部は彼女の背後から、その柔らかな頬を伺っているわけだが、自らの顎をそこに滑り込ませようとした。
「いいや、や、やめて!」
「そう、男性看護士を呼んでもいいのよ、男におまんこ観て貰ってもいいのよ、それの方がインラン中学生にはお望みかしら?」
「ウウ・ウウウウ・・ハイ」
 小さく肯くと少女は泣き崩れようとした。しかし、看護婦がそれを許さなかった。
「聞こえるでしょう?静かになさい!」
「ウウ・・・う!?ゥウゥゥ」
 患者が自分の奴隷人形に堕ちたことを知った看護婦は、この際、氏名を告げておく、野上怜夏は少女の正面に自分の身体を移すと、股間を臨もうとした。
野上の吐息が股間に当たる、
「いや!?」
 とたんに両手で股間を押し隠した。しかし、その途端に・・・・・。
ビシ!
 野上の平手打ちが少女の柔らかい頬を打った。加害者はほくそ笑んだ。少女に触れる手の感触に気持ちよさを感じたのだ。普段、介護している老人、因みに彼女は老人看護が専門である、彼らの干からびた肌と違ってもちもちとした若い少女の肉体は、ふれ合いがいがあった。
 ビシ!
 首の骨が折れるのではないかと思うほど、看護婦の平手打ちは激しい。
「ご、ごめんなさい、ゆ、許してください!」
 知的な美少女は自分の顔を護るために、両手を顔に当てた。すると、彼女の両手首を摑むと、ベッドの上に少女の柔らかな身体を押し潰した。
「ごめんなさいだって?だったら、どうして、素直にぶたれないのよ!!」
 さきほどの赤ちゃん言葉と打って変わって、まるで暴走族のレディースの総長のような暴虐ぶりを見せた。
 両手を使って、強弱を自在に使い分けてぽんぽんと、頭やら顔やら胴体やら、あちらこちらを叩き回る。最初に痛くさせて、次に和らげる。二回目がくるまでに少女はそうとう怯えるが、その顔が堪らずに可愛らしい。単純なサディストの本性を顕わにして、子供のように笑いながら少女を小突き回す。
「ご、ごめんなさい!ごめんなさい!もうぶたないで、くださいィウツツ!」
 何処まで行っても自分はいじめられる運命なのか、少女は泣きながら加害者に向かって泣きじゃくるしかなかった。
「謝罪するなら、今の今まで何をしていたのか言いなさい!言うのよ!!」
「うぎぃい?!」
 看護婦の長い指が少女の柔らかな頬に食い込む。可愛らしい知的な顔が捩られた風船のように歪む。夥しい涙が零れる。その様子はあたかも黒い蜘蛛が取り憑いているようだ。
「汚いわねえ、あなたの気持ち悪い体液で指が汚れるじゃない!!」
 パーンという音とともに、快心の一撃が由加里の頭部に炸裂する。
 怜夏からすれば、単に水の入った水筒を叩いているにすぎない、そんな感触が両手を通じて伝わってくる。
 何回も叩いているうちに、掌を掲げただけで激しく怯える。
「何を泣いているのよ、まるでいじめているみたいじゃない!?」
「ウウ・ウ・ウ・ウウウウウ・・うう?!」
 涙でくしゃくしゃになった少女の顔からは、抗議の色が心なしか見て取れる。それが看護婦の気に障ったのだ。
「言うこと聞かないなら、男性看護士の前で、おまんこを顕わにさせるからね」
「ヒ?そ、それだけは」

 知的な美少女は完全に理性を失っていた。そのようなことが可能か不可能か、すこしでも脳細胞を働かせれば答えが出るはずだろう。しかし、被虐に被虐を重ねた結果、少女の精神は激しく傷つき、ちょうど、看護婦が掌を見せただけで激しく怯えるのと同様に、由加里は、看護婦が思うとおりの実に従順な奴隷にされていたのである。
 怜夏は静かに命じた。
「今まで、何をやっていたの?」
 それが性的な意味合いであることは、容易に察することができた。女子中学生は、しかし、自分の口からそれを認めることは憚られた。何と言っても、相手は照美やはるかではなく、あまつさえ似鳥可南子すらないのだ。そんな相手に簡単に認めることは、自分を否定することに等しい。
「そう・・・」
 看護婦はやおら立ち上がると、回れ右をしてドアにむかった。
「あ、ま、まってください・・・・」
 彼女の仕草から、今までの言動から何を言わんとしているのか、如実に伝わってくる。
「い、言います・・・」
「何をしていたの?」
「お、オナニーです・・うううゥゥウ」
 言うなり、溢れる涙は羞恥心の証だった。涙で鬼のような看護婦の顔がぼやけてよく見えない。だが、それは彼女から伝わってくる恐怖をけっして和らげはしない。むしろ、ものが見えないだけ余計な想像力が働き、対象に対する恐怖を倍増させるだけである。
「何だって?あなた、病院でそんなことをしていたの?なんだって?」
「ウウ・・ウウウ・・うう、お、おな・・・オナニーです」
「じゃあ、自分で脱いで見せてごらん、フフ」
「・・・・・・ウウ」

 まるで自分の手が自分のものじゃないように思えた。少女は、パジャマを脱いでいく。因みに、花柄の幼女が好んで着用するような代物だ。母親は服装の趣味が悪いので、西宮家では有名なのである。
 だが、今は、そんな朗らかな記憶に浸っているばあいではない。市井の看護婦にまで自らの性器を晒そうとしているのである。それは町中で全裸にされて、大腿を180度ほど広げられているのと、ほぼ同意である。この看護婦、野上は、由加里にとって町中の見知らぬ人間に等しい。それに故に込み上げてくる羞恥心はひとしおである。
 その上、少女の性器には照美によって挿入させられたゆで卵が、未だに存命中である。照美の所有物にすぎない由加里にとって、彼女が傍にいないときなどない。トイレで用をしているときでも、黒目がちな瞳には照美の悪魔めいた微笑が映り込んでいる。
 だが、看護婦はちがう。どうしてこんな人にまでひどい目にあわされるのだろう。
 そう考えながら、命令通りに大腿を限界にまで広げて自らの性器を顕わにする。
「あれ、若いのに硬いのね、え?中に何か入っているわよ」
「ァアあ・・!?」
 必死に性器の筋肉を操作して、ものが出ないように注意していたはずだ。だが、目敏い看護婦は中に何かが入っていることを察していた。
「あれ?タンポン、それにしてもおかしいわね、これじゃ生理じゃないわよね」
「ウウ・ウ・・ウ・ウうう?!」
「ほら、出しちゃいなさい!何を入れているの!?」
  野上の指が性器に吸い込まれていく。
 「あれ?卵?由加里ちゃん?」
 ゆで卵は、少女じしんのそれこそ体液によってどろどろになっていた。看護婦は意地の悪そうね目で、それをいかにも汚いものを視るような目で観察している。
「こんなものを常に入れていないと、満足できないのね」
「・・・・・!?」
 もはや、何を言っても何の説得力もない。そのことは、被虐の美少女じしんが誰よりも自覚していた。
 知られてしまった!
 もはや、海綿体となりつつある脳の何処かで正常な理性が生きていて、少女に危機を告げる。しかしながら、それに対する方策は全く見付からないため、余計に混乱させるだけだった。
 その時、聞いたことのない着メロが看護婦のナース服から響いてきた。
「あ、仕事か!」
 あまりに軽い対応はかなりのギャップを感じさせる。自分の置かれている状況の深刻さを思えばあまりに違うのだ。遊びの片手間に仕事をしているという感じの、ごく軽いノリを見ていると、自分の価値の低さを否応無しに納得させられる。

「もっと、遊んであげたいけど、お仕事、入っちゃったからまた後でね!」
 あたかも友人にさよならを言うように去っていく。
 残された由加里はシーツを頭から被って泣きじゃくるだけだった。無意識のうちにゆで卵を元に戻したのは、あの美少女に対する恐怖が尋常ではない証拠だろう。気が付くと、喘ぎ声を出していた。
「ぁぁあああぁぅぅぅぅ・・・ウウウう!?」
 いくら再体験しても官能というものは慣れないようだ。ジェットコースターなどと違って、体験するたびに新しい刺激が心身を翻弄する。
 由加里は、意外とその手の乗り物に耐性がある。だが、何度も経験するとしたいに飽きてしまう。性感にはそれがないのだ。
「ウ・ウ・・・・ウウ・、わ、私、本当の、変態なんだ・・・・ウウ・ウ・ウ」
自分の涙に溺れながら、知的な美少女はすぐれた頭脳を自己嫌悪にしか利用できない。それを無駄と判断する理性すら、この女子中学生には残っていなかった。


 

テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト

『由加里 92』


 由加里が毒牙にかかろうとしている時、照美と郁子はカラオケを後にしようとしていた。もちろん、携帯は料金を考えて、すでに切ってある。
「郁子ちゃん、楽しかった?」
「うん・・・そうだ、あたし、携帯、持ってるんだ」
 思いだしたように言い出した郁子。照美にとって見れば、それは意外な事実だった。最近の小学生の動向は、ニュースなどでは頓に耳にしていたが、情報化がそこまで進んでいるとは思わなかった。
「じゃあ、アドレスの交換しようか、わからない?こうやるんだよ、貸してごらん」
 その時、小学生の小さな頭に浮かんだのは、海崎百合絵のこんな言葉だった。

「知らない人に貸したらだめよ」

「あ、返して・・・」
 美少女は、女の子に拒絶感が見え隠れしているのを見落とさない。だが、月並みな言葉でお茶を濁すことにした。
「もしかして、カレのが入ってるとか?」
「そんなんじゃないもん」
 しかし、携帯の中身を知って本当に驚愕するのは、照美の方だろう。郁子の携帯に自分の母親のアドレスが入っていることを知ったら、どんな顔をするだろうか。
 照美は、そんなこととは露知らず、姉さん顔で妹を相手にしているつもりだ。こんな姿を鋳崎はるかが目撃したら、おそらく、いや、90%の可能性で親友をからかうネタにするつもりにちがいない。
 照美は、その時が音もなく近づいているにもかかわらす、さらに姉さん顔をする。

「郁子ちゃん、可愛いからきっともてるわね、クラスの男子が放っておかないでしょう?」
「そんなのいないもん・・・・でも、お姉さんならいそうね、男の子が放っておかないんじゃない?」
 照美は、思わず笑声を洩らした。
「ふふ、私か、どうも、男子から畏れられているような気がするな」
「綺麗すぎて怖いのかな」
「うん?」
 適当に言っているようで、真実を洞察する。小学校の高学年とは誰でもこんなものか、それとも、彼女が特別なのか、とにかく、照美は聡い少女に好感を持った。
「お姉さん、歌うまいよね、プロみたい。アイドルとは違う感じの歌手になれるんじゃない?」
「郁子ちゃん、西宮さんには内緒よ」
「え?どっち?」
「由加里さんよ、いい?」
黙って肯く、少女に照美は打ち明けた。
「冴子さん、ロックバンドをやってるでしょう?私、その新しいヴォーカル、歌手になるかもしれないんだ」
「え?そうなの、アッセウブ、なんだっけ?」
「アッセンブル、ナイトよ」
「由加里さんには内緒よ」
 自分が由加里の姉が主催するロックバンドに参加することによって、かなりのプレッシャーを彼女にかけられるのではないか、照美は、お姉さんを演じる中で、どす黒い笑みを浮かべていた。
 だが、それは容易に崩れ去る運命にある。遠目に、あまりに見知った顔を発見したからである。女の癖に、普通の男子よりも頭一つぶん大きいのは一体何者だろう。考えるまでもない、鋳崎はるかである。
 すぐに逃げようと、裏道を伺おうとした瞬間、親友の老獪な双眸とぴったり出会ってしまった。
 30メートルも離れているはずだが、トップアスリートの卵の視力から逃れることはできなかった。すぐに走り寄ってくる。
 ジャージ姿でテニスラケットを背負った体育会系、向こうから飛んでくる大柄の女の子はそのようにしか表現できそうにない。
 二人を取って喰える場所まで近づいた。白皙の美少女は、さすがに額に汗を浮かべている。
 彼女は、いたずらっ子のような笑顔を浮かべると、いかにもおかしそうに言う。その口端からは、親友をからかってやろうという悪意が見え見えである。
「よ、照美!あれ、このお嬢ちゃんは?」
「はるか・・・・・・・」
 思わず、美しい顔が滑稽に歪む。こうなってしまえば、絶世の美少女も形無しである。だが、照美を救う神の手がぬっと現れた。
 この小学生は、二人が予想だにしない言葉を吐いたのである。

「いつも、姉がお世話になっております。今朝、生まれた、末の妹の郁子と申します」

 神妙な姿に、数秒の沈黙の後に、二人は爆笑せざるをえなかった。
「ほう、今日一日で、ここまで成長したってわけか?」
「お姉さん、この人、男なの?」
 はるかを怖がっているのか、郁子は、その小さな身体を照美に絡みつかせる。
「本当はそうなのよ、変態さんなのよ。男のくせに女の子の恰好をしたがるって、学校でも評判なの」
「照美!わざとらしくしおらしくするな!」
 二人で歩いていると、似合いの恋人同士に見られる。照美は意外そうな顔をし、はるかは、いかにも嫌そうに発言者を睨みつけたものだ。
 彼は30歳を超えた行員にもかかわらず、心底から震え上がったことは、照美とはるかの知る余地の無いところである。

 さて、照美によって、要領よく、郁子の身分を説明されたはるかは、目を丸くした。当たり前だろ、あの西宮由加里の妹だと言うのだ。確かに血が繋がっていないのだろう、顔の作りそのものが違う。絵で言えば、その根底にあるタッチが違うのである。
 はるかは、少女に対する自分の第一印象よりも、親友が彼女を気に入っていることに注目した。明らかに、疑似的に姉妹を演じることを、楽しんでいる。
 確かに、一人っ子であるはるかにも、その気持ちはわかる。ただし、実母と実父に育てられている彼女には、親友の気持ちの深いところまではわからない。彼女はそれを自覚していた。自分にその資格はない、と思っている。 それは自分の照美への友情の証拠だとも考えている。
「照美、そろそろ、小学生は帰宅する時間だろう」
「まあな、家まで送ろうか?どうした?」
 郁子は、地面に視線を落としていて黙っている。そのようすを見ていると、本当に夕日に呑みこまれてしまいそうに見えた。
「郁子ちゃん?」
 気が付くと、少女は照美のスカートを摑んでいた。
「どうしたの?」
「ウウ・ウ・・」
 あまりに華奢な少女は、その小さな肩を振るわせて泣いていた。さきほど、自分は愛されていないと、冗談交じりに言っていたことが想い出される。
 肩を抱いてやろうと手を回す前に、少女は口を開いた。
「お、お姉さん・・・あ、あたしね、お姉さんって言ってごめんね、お姉さんじゃないのに」
「何をバカなことを言っているの?」
 先ほどは意図していたが、今度はごく自然に少女の肩を抱き締めていた。少しでも力を入れたら、その瞬間、肩胛骨を鎖骨が粉砕していまいそうに思えた。
「ウ・・ううう!?あーあー!!」
「郁子ちゃん!?」
 小さな少女は、顔を真っ赤にして照美の下半身にしがみついて、泣きじゃくりはじめた。
端で見ている、はるかは、往来の視線が気になったが、単なる姉妹の家族ドラマだと思って、温かい微笑を投げキッスしてくるだけだ。
 一方、照美は、そんなことは全く気にしていない。
 なんと、この美少女が涙を浮かべている。由加里に見せてやりたいと思った。きっと、彼女は照美にいじめられることを誇りに思うだろう。

 この小さな少女は、はるかをも、理性の楽園から追放せしめたのである。
 
 しばらく経って、ようやく泣きやんだ郁子は、照美に手をつながれて帰宅の途にあった。
「・・・ご、ごめんなさい」
「いいのよ、郁子ちゃん、よかったら、私のことをお姉さんって呼べば」
 しかし、照美は少女を笑わすことも忘れなかった。
「そして、この大きなのはお兄さんって呼びなさい」
「おい、照美!」
 大きな手が照美の頭を摑みとった。
「痛いな、はるか!」
「フフ・・・」
 照美の意図どおりに、郁子は笑い出した。
「ま、それは冗談として、別に冗談にしなくてもいいんだけど・・・」
「冗談だ!」
 地獄の底から響いてきそう名声を無視して、照美は言う。
「私の妹でもいいよ、そうだ、本当に私たちの妹になろうよ、ね、郁子ちゃん、三國志って知ってる?」
「知らない」
 素直に答える。

 おい、おい、小学生に何を言って居るんだと、はるかは制しようとするが、照美はまたも無視する。
「桃の誓いって言うのがあるの、桃の木の下で3人の男が兄弟の誓いをするのよ」
「その人たちって、3人とも赤の他人なの?」
「そうよ」
 照美は、公園の前にある門石に座った。こうすると郁子と目線が合う。
「あそこに、蜜柑の木があるわ、あの下で、3人で姉妹の誓いをするの」
 小さな両肩に手を添えると、それほど大きくもない木の下まで押していく。すでに誘蛾灯が光る時間になっている。
 郁子は、人形かと思わせるほどに従順に照美の意思に従う。頼りなさげなその姿は、護ってやりたいと思わせるのに充分だ。
 言うまでもないことだが、蜜柑の季節ではない。だが、先入観からか、甘酸っぱい匂いが漂っている気がする。
 郁子は、照美から離れると、木に寄っかかった。上目遣いで姉になる中学生を見あげる。
「本当に?」
「もちろん!」
 半分ほど、あほらしいと頭を掻いたはるかだが、すぐに、親友が本気だと気づいた。他人の中で育てられるとはどんな感じだろう。たしかに、彼女は継母や継父にこれ以上はないというほどに愛されている。だが、自分とて、照美とは血など全く繋がっていないのだ。
 しかし、彼女をとても大事に思っている。肉親として愛しているとさえ言える。だが、悔しいことに、この美少女に継母たちと同様に、人並みの幸福を感じさせてあげられない。なんと、もどかしいことか。
もしかしたら、この小学生がそれを実現させてくれるかもしれない、はるかはそう思った。

「そうだな、そうしよう。しかし、私は女だからな、郁子ちゃん」
「はい、お兄ちゃん!」
「こら!」
 はるかは、新しく妹になった少女の頭をごつんとやった。
「私は、お姉さんなのよ、区別がつかないじゃない!」
「はるかお姉さんでいい」
「え?はるかお姉さんだって?あはははは!」
「笑うな!照美!」
 そう言っているはるかも笑い出した。それに釣られて郁子も笑い始める。あっと言う間に、笑声の合唱となった。
 笑いが絶えると、照美は郁子をその腕の中に入れた。
「そろそろ、帰ろうか」
「うん」
 郁子は再び、涙目になった。
「郁子、妹だよね」
 可愛らしい小学生を愛でながら、照美は突如として怒りを抱きはじめた。言うまでもなく、彼女の姉である、由加里であり。
 3人連れだって歩きながら、絶世の美少女は、彼女へのさらなる攻撃を誓った。
一方、テニスラケットを背負う少女は、幾ばくかの不安を抱いていた。こんな小さな少女を由加里いじめに巻き込むことである。彼女は、ほぼ親友の意図を察知していた。だが、彼女の境遇を思うと、それをあからさまに批判するわけにはいかなかったのである。
 何故ならば、すでに、親友を護り続けると、そして、同じ狢で在り続けると、はるかは、これらのことをかつて自分に誓ったからである。



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『由加里 91』

「ねえ、郁子ちゃんでしょう、私、海崎照美って言うんだけど」
「・・・・・」
 支払いを済ませた照美は、喫茶を出るなり由加里の妹に声をかけた。しかし、少女は黒目がちな瞳を微動だにせずに不審そうな視線を送ってくるだけだ。
「郁子ちゃん」
「お姉さん、どうしてあたしの名前、知っているの?」
「西宮さん、冴子さんに教えてもらったの」
「冴子姉さん?冴子姉さんと知り合いなの?」
「そうよ、私、冴子姉さんのバンドの関係者なの」
「かんけいしゃ?」
「友だちなの」

 妹や弟がいない照美にとって、小学生の扱いは苦手だ。というよりも、経験がない。何故だか、由加里ルートを通じて自己紹介するのはマイナスのような気がした。
 照美は、何かの小説で知った会話を思い抱いた。筋も全く憶えていない、いや、題名すら記憶の網にかかっていない作品だが、何故か、その台詞だけは残っていた。
「郁子ちゃん、お姉さんと付き合わない?」
「お姉さん、キレイだね」
 「それはわかってるからさ・・・・・・」
「あたしを誘拐してもだめよ。みんな、あたしのためにお金を払おうとしないから、それでもいいなら、一緒するよ」
「え?」
 由加里の妹に、照美は何かひっかかるものを感じていた。具体的には摑み切れていないが、二人の姉とは違う別種の衣服を着ていると思ったのだ。
「じゃあ、誘拐に付き合いなさい」
「何処に行くの?喫茶店はいいから」
 扱いにくい子だとは思いながら、自分がほとんど子供を扱ったことがないことに気付いた。しかし、電灯がつくように面白い試みを思い付いた。
「ねえ、郁子ちゃん、友だちを見舞いたいんだけど」
「お姉さんの友だち?」
「友だちって言うより、クラスメートね。先生に言われているのよ」
「ふうん、あ、もしかして、由加里姉さんのこと?」
 その固有名詞を口にしたとき、少女の顔色が変わった。それを照美は見逃さなかった。
「お姉さんは、由加里姉さんの友だちなの?」
「だから言ったでしょう。先生に言われて仕方なく来たって」
「じゃあ、あたし、帰る」
 
 郁子は思い詰めたような顔で言った。
 美少女は、考えた末に小学生用の言葉を思い出した。
「わかった、郁子ちゃんは、お姉さんと喧嘩したのね」
「喧嘩なんかしてないよ、ただ・・・・・」
 二人が微妙な関係であることを、照美は察知していたが、それが確信に変わった。これは由加里をいじめるいい道具が手に入りそうだ。しかし、ここで焦ってはいけないとも思った。
「話してごらんよ、立ち話も何だから、喫茶がいやなら病院の外に行こうよ」
「うん・・・・・」
 時計を見ると午後四時になろうとしている。小学生が自由にできる時間は残り少ないだろう。はやく、この少女から情報を聞き出さねばならない。いや、それよりも、彼女を間諜とすべく見えざる主従関係を構築する必要があった。
 痺れを切らすどころか、向こうから握手を求めてきた。
「ねえ、お姉さん・・・」
「何?郁子ちゃん」
 ためらいがちに少女は口を開く。
「カラオケいい?」
「いいわよ、歌を歌うの好きなの?」
 病院を出て、すこしばかり赤みをおびた太陽に照らされて、小学生の頬は血に濡れているように見えた。躊躇うことなしに、一気に捲し立てる。
 
「郁子は好きだけど、カラオケには行かせもらえないの、お金出してくれない。他のことならいいけど、カラオケは駄目だって、パパが言うのよ」
「そうなんだ、じゃ、行こうか」
 「お姉さん?!」
 突如として手を摑まれた郁子はぎょっとなった。しかし、昔の懐かしい思い出が蘇ってきて、涙が浮かんできた。
 照美は、もちろん、目敏くそれが見抜いていた。しかし、少女の深い思いまで読み取っていたわけではない。ただ、由加里とうまくいっていないことだけは何となくわかった。これを利用しない手はない。

 しかも、向こう側から手を指しだしてくるではないか。それとなく由加里のことを訊いてきた。
「学校で、由加里お姉さん、どんな感じ?」
 もちろん、そのまま言うわけにはいかない。
「普通だよ」
「お姉さんはどう思っているの?」
 いちばん、答えにくい問いではある。先ほどの物言いで、ニュアンスを捉えているか。いや、意識的にせよ、無意識にせよ、理解しているからついてくるのだろう。
 こちらから探りを入れてみる。
「家ではどうなの、と言っても入院する前だけど」
「とても、冷たくなったわ。郁子のこと、嫌いみたい」
 そう言うからには、当たり前のことだが、姉に対して愛着が残っているわけだ。あからさまに、由加里を悪し様に言うわけにはいかないということだ。
「宿題、見てくれなかったりするの、前は笑って教えてくれたのに」
「ふうん」
 照美は、携帯を弄っていた。かけている番号は由加里宛だ。
「ごめんね、友だちに用があるの・・あ、かかったわ、あ、はるか、照美だけど。あなたのだいしんゆうの照美よ・・・ふふ、ねえ、英語の宿題で、これわからないのね、教えてよ!Leave the call! どういう意味だっけ?これ、Leave the call!これよ、Leave the call!・・・・・・・あ、そういう意味なんだ、ありがとう!!」

 携帯の相手は言うまでもなく、はるかではなくて、由加里である。そして、英語の意味は「電話かけたままにしろ」という程の意味だ。
 小学生である郁子はいざ知らず、その意味を知的な美少女が理解できないはずがない。声が照美であることは、一瞬のうちに理解した。あの怖ろしい、少女をひと声で地獄に叩き落とす声色を忘れるはずがない。
 この手のシナリオめいたいじめははるかの領分だったはずだが、照美は照美で残酷さに磨きをかけるべく親友に倣ったらしい。
 しかし、今はそんなことを分析している場合ではない。
ベッドに寝ている由加里の耳に響いてきたのは、照美のみならず、なんと、可愛い妹である郁子の声だったのである。
「ウ・ウ・・・!?」
 とたんに、下半身を戒める仕掛けが騒ぎ出した。精神的なショックが股間を直撃したのだろう。

 ここで、疑問が生じるだろう。由加里の性器を監禁しているのは、似鳥可南子が米国から直輸入した特注品ではない。
 単に、照美に卵を挿入されているにすぎない。
 ならば、照美がいなくなった今、どうして、取り去ろうとしなかったのだろう。
 逆に言えば、それこそ、知的な美少女が精神的にも、そして、肉体的にも奴隷に堕ちた証拠だろう。
「アグ・・あ、え?どうして、郁子の声が、海崎さんの携帯から聞こえてくるの?」
 由加里は正気に戻った。官能の責めに絶えず下半身を苛まれていながら、郁子の像が脳裏を過ぎっては、脳内麻薬の海に溺れているわけにはいかないのである。
 頭が熱くなっていくのを感じる。脳、そのものが電子レンジで温められているようだ。だが、その熱に浮かれている場合ではない。
 妹と照美の声が交差する。

「ふうん、お姉さん、郁子ちゃんのこといじめるんだ」
「そうだよ、ひどいことするの」
・・・・・・郁子に何をするつもりなの?いや、郁子をまさか引きこむつもりなの?
 後者が正解だと思われた。金江礼子や高田あみるのように、弱い者に無差別な悪意を向ける照美ではないからだ。
 自然と出てきた解答に、由加里は唖然とした。
・・・・・自分さえ犠牲になれば、みんなが幸せになるって言うの?
 自分の未来が黒で塗り固められるのを感じながら、まったく介入できずに、二人の会話を聞くことしかできない。
 そうと分かっていても、泣き声を張り上げざるを得ないのは、人間の悲しい性というところだろうか。
いかに泣き叫ぼうとも、照美は、携帯を手にとっていないのだから、自分の声が届くはずがない。
「海崎さん、海崎さん!お願い、郁子に手を出さないで!」
 二人の会話は続く。郁子が由加里からひどい仕打ちをされているという内容で、耳を覆いたくなるような内容だ。とうぜんのことだが、知的な美少女には身に覚えがない。だが、一方、照美が強制して演技させているとも思えない。あの子にそんな演技力があるはずがないのだ。

・・・・・そんなにお姉さんのことが嫌いなの?

 涙が自然と頬を伝うが。そんなことは全く気にならない。自分が信じてきたものが、いとも簡単に崩れていく姿を見せつけられて、しかも、学校だけでなくて家庭のそれまでが、無惨に廃墟と化すのを目の当たりにして、由加里は慟哭せざるを得なかった。
 二人以外の声が聞こえるが、そんなものは涙に暮れる少女の耳に入るはずがない。だが、聞き慣れた曲の前奏が始まったとたんに、意識を取り戻した。冷や水をかけられたような気がする。
 冴子が組んでいたバンド、Assenble night の楽曲である。照美がやけに曲に溶け込んでいる。いかに雑音に妨害されていてもよくわかる。それがシャクだった。彼女のよく通るヴォーカルは機械的な雑音などものともしないようだ。
 それが姉と照美が手を繋いでいるように見えて、由加里はなんと言えない孤独感に身を焼かれるのを感じている。
 いや、それだけではない、あの悪魔は郁子さえ自分の領域に引き入れようとしている。冴子が、そうやすやすと 手玉に取られるとは考えにくいが、あの郁子なら、いとも簡単に味方に引き入れられてしまうだろう。
思い返せば、いじめられるようになって妹に辛く当たることが多くなったと思う。しかし、姉を裏切らせるようなひといまねを彼女にしただろうか。
 首を捻るばかりだ。
「もうーいや!」
 思わず、由加里は携帯を閉じようとしてしまった。しかし、奴隷の身では主人の命令は絶対だ。立っていろと言い渡されれば、雨が降ろうと槍が降ろうともそのままの姿勢を維持しなければならない。少女は見えない鎖に繋がれているのだ。身も心も照美に奪われて、身動きひとつままならない。
 例え、彼女が側にいないとわかっているにも係わらず、常に監視されているような気がする。
 あの人間とは思えない美貌が自分を嘲笑っているのだ。完全に我慢の限界を超えている。これでは、古代の奴隷よろしく、常にご主人様の足下に控えて、どんな命令でも謹んで実行する薄汚い雌犬でいたほうがどれほど楽か。
「ウウ・ウ・ウ・・」
 ガサっというゴキブリが騒ぐ音とともに、社会のノートが落ちる。ゆららが懇切丁寧に黒板の板書を書き写してくれたものだ。たまたま目に入った赤い文字。
 人権・・・・性差、年齢、民族、の別にかかわらず、万民に平等に付与されたもの。
「そんなの嘘じゃない!?嘘の人権ならないほうがまし!いい加減にしてよ!海崎さん!もう、どうにでもして!これじゃ、蛇の生殺しじゃない!?」

 由加里は、慟哭しようとしたが、ここは静寂であるべき病院、それを呑みこもうとする。徹底的に圧縮された哀しみは、いったんは喉を通るが、胃に届く前に逆流して再び口元に戻ってくる。
 嘔吐しそうになった。
「ウ・ウ・ウウ・・ウうう?!気持ち悪い・・・うう」
「あら、あら、西宮さん」
 あまりに、由加里が声を出すので看護婦が顔を出した。
「・・・・・!?」
 悪魔を視る目を向ける。何となれば、身体の清拭等のときに、彼女は常に嫌みを言うようになっていたからだ。
 由加里のことは看護婦仲間で有名になっているのは知っている。
だから、少女の性に関することが嫌みのネタになっている。しかし、今度ばかりは、少女は脳髄を土足で踏まれたような気がした。
 看護婦は苦しむ知的な美少女の耳元に、そっと、悪魔の囁きを吹きかけた。
「あーら、妊娠でもしたのかしら?」






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『由加里 90』


 テーブルの上に五線譜を取り出して、いや、投げ出すように置くとやや殴り書きするように、オタマジャクシを並べていったのである。
「ふふ」
 思わず微笑が零れる。まるでビデオテープを再生したかのような目の前の出来事に、照美は心が溶かされるのを感じた。あの由加里と酷似しているのに、どうして、この人には憎しみを抱かないのか、その理由はわからない。
 しかし、冴子に好意を抱いている自分に気付いたことは確かである。自我への新たな闖入者をどう扱ったらいいのか、青春の途上にいる少女にはわからないことばかりだが、プライドが高い彼女は、そんな自分じしんを認めたくなかった。
 ロックバンドのヴォーカル。
 現在の音楽シーンにたいして興味を持たない自分だが、その言葉が持つ神話性には覚えがある。
 
 何故かわからないが、この時間が永遠に続けばいいと思った。不朽のものなぞこの世に存在しないことはわかってはいるが、このまま、新しい人間関係に深入りせず、と言って遠ざかりもせずに、曖昧な関係のままで過ごしていたいと、絶世の美少女は考えた。

 
 その頃、精神的にも肉体的にも姉を奪われた由加里は、手足をもがれた牛のような思いでベッドの中にいた。絶えず少女を苛むのは下半身から響く性的な刺激だけではない。それに加えて精神的な苦痛をも倍加されて少女のか弱い精神を侵食していくのだった。それらに煩悶しながら、頭までシーツを被って泣き続ける。
「ウ・ウ・ウウウウ・・・・ウウ」
 誰にも知られたくない。こんな姿を見られたら、それが誰でもすぐに舌をかみ切るつもりにさえなった。
 そんな由加里に声をかけた者がある。
 それは、ある意味、知的な美少女がこの世でもっとも会いたくなかった人間だった。
「姉さん、由加里姉さん!」
・・・・・・郁子?
 小学5年生の妹がこんなところで何をやっているのか。いや、患者の妹ならば病室にいてもおかしくない。いや、何の用でこんなところに来たというのだろうか。
 それはすぐに明かされた。
「ママがねえ、洗濯物とか、持ってきなさいって、それから郁子も用があるんだよ。由加里姉さん、起きてよ!」
「止めて、お姉さん、具合が悪いの!」
 その時、由加里の耳には世にも怖ろしい声が聞こえてきた。いや、声ではない、その内容、つまり言葉が怖ろしいのだ。
「姉さん、オナニーでもしていたの?冴子姉さんに捨てられて、そんな惨めな自分を慰めるためにさ」
「郁子!!」
 おもむろに飛び起きた知的な美少女は、シーツを脱ぐなり妹を怒鳴り飛ばした。
しかし、涙で顔を濡らした郁子が目に入ったとたん、それは自分の哀れな妄想だと気付いた。かき混ぜたコーヒーに溶けるクリームのようなスピードで、罪悪感が脳幹を満たす。
「郁子!」
 今まで聞いた妹の声がすべて幻聴であることを覚ったのである。
 愕然とすべき事実を知って、由加里も黒目がちな瞳に涙を溜め込んでいた。思えば、この妹は、いや、家族は自分を人間扱いしてくれる数少ない人間のはずだった。それをどうしてこんな扱いをしてしまうのだろう。被害妄想に耳を傾け、可愛い妹を否定しまうなどと、とても考えられたことではない。味方の背後から砲弾を放つのも同じことである。
「郁子!ご、ごめん・・・う」
 その時、姉は苦しそうに呻いたが、郁子はそれに気付かない。彼女も溢れる感情に意思を支配されていたからである。
「姉さん、由加里姉さんも、郁子を嫌いなんだね?!」
「も?何を言っているの?ぁぁぅ・・い、郁子?」
 実は、姉の下半身が官能の疼きを感じたのだが、その秘密を知らない郁子には察しようがない。自分を軽んじている故での行為としか思えない。
「姉さんも、冴子姉さんも、ママも、郁子をのけ者にして!みんな嫌いよ!」
「郁子!?」
 洗濯物等、持ってきたものをすべて床にぶちまけて、妹は病室から飛び出していった。いくら退院が近いとはいえつながったばかりの足では、彼女を追うことは不可能である。
・・・・・・一体、彼女は何を言っているのだろうか。
 今まで、彼女の口から聞いたことがない言葉の羅列に、知的な美少女は真冬の次に真夏が来たような感じを味わっていた。急激な気温の変化に体がついて行けない。同じように、妹の変容に心がついて行けないのである。
何という大人びた言いようか、あんなことを考える子だったとは・・・・・。

 何か、彼女にとって許容すべきでない自体が起こったにちがいない。きっと、それが妹に少なからず影響を与えたのだろう。
 そんな風に冷静に分析しながら、全身はいやらしい汗にまみれていた。そして、彼女の股間は猥褻な液体に沈んでいる。既に少女の膣は、もしもその部位が意思を持っていたらのことだが、窒息する思いを味わっている。
「ぁぁぁぃぅ・・・・・・」
 良かった、妹にこれがばれなくて・・・・・・。
 一方では、こんなことも考えている。可愛い妹が危機にあるというのに、姉としての責任から希望しなくても逃れたことに、安堵を覚えている。そんな自分がいやになった。クラスメートのいじめられるのが当たり前と思わなくても、友だちがいないことは当然のように思える。
 大人になりはじめて、そんな自分の嫌な部分を発見したにちがいない。きっと、それが理由でみんな照美や高田 あみるたちに同調したにちがいない。
 圧倒的な自己嫌悪に脳幹を浸していたので、由加里は自分の右手が制御を失ったことに気付かなかった。
「ああアァアウ・・・、あ、私ったら・・・・いや!か、海崎さん、ゆ、許してエェッェェ・・・・あああ・・・ぁ」
 シーツに、白い、そう清潔な白い布に下半身を隠されているために、いや、護られていることをいいことに、知的な美少女は自分の性器を慰めていたのである。
 
 少女が昇華すべき諸問題は、彼女がいかに優れていようとも、あまりに多大で解決すべからざる内容に満ちていた。その唯一の方法は、官能に逃げることだけだったのだ。
 近い未来にそれに気付いた本人は、潔癖性ゆえにさらなる自己嫌悪の深海に沈み込んでいくだけだが、麻薬患者がいっときの快を求めるために殺人さえ犯すように、魔性の白い花に自らの指を食い込ませる。すると、中からいやらしい蜜が湧き出てくる。
 それも宿敵としか言いようがない照美にいじめられて、無理矢理にオナニーをさせられている様子を思い浮かべているのだ。
 あまりも惨めだった。
 自分はあの人非人にいじめられることを欲しているのか。いや、違うだろう。自分は欲する人間と人間的なつながりを持つことを待っているのだ。それが高田でなくて、照美である所以。なんと、あの冷たい笑いを湛える悪魔を好きになっているのだ。
 そればかりか、この後、看護婦に自分の汚らしい身体を拭かれている自分を思い浮かべている場面を想像しながら、右手を、いや、右手ばかりか左手をも動かしていた。右指でクリトリスを摘みながら、左手で膣の内奥を弄り回す。これが少女のオナニー方法である。

「あら、このインラン少女、また、我慢できなかったのね、大腿までいやらしいクサイ臭いがするわよ!」
 そんな声が聞こえるのだ。じっさいに、すべてが終わった後に、「若いっていいわね、おさかんね」とある看護婦に囁かれたのだ。彼女は部屋を退去する前に、自分の指を嗅いでわざとらしく顔を顰めると、神経質なまでに手を洗い続けたのである。水が手洗い場の外に幾つも飛び跳ねていた。それも彼女なりの嫌みの演出だったのだろう。
 由加里は顔が燃える思いを味わったものだ。
 それを思い出して、いや、脚色を施して舞台の中に自分を放り込んだのだ。これには、鋳崎はるかによる教育が効いているのかもしれない。もっとも、そもそも、創作の才能が少女の中に潜在していて、それを刺激したおかげで発芽したということもありうる。しかし、プロアスリートの卵はその尻を押したことは事実である。なお、彼女をも、由加里は自作自演の劇に登場させた。

「は、はるかさん、ぶたないで!ちゃ、ちゃんと、お、オナニーしますからァァアァアア・ア・アあああ、に、西宮、ゆ、由加里は、変態でインランで、ソ・・・そんな姿を・アア・・ア、人に見られるのが好きです・・・・ぁあぁぁぁ・・・・ぅぁうおあう、きもちいい・・・あぃううぅ・・うぅっぅ!」
 その瞬間、腰をその名の通りにエビぞりにして、ようやく絶頂を迎えた。
シーツが完全な惨めさとともにまとわりついてくる。滲み出てくる自らの汗のせいか、塩くさい臭いが自分から漂っているのがわかる。全身が愛液にまみれているような気がした。
 少女が我に帰って、自分のプライドが音を立てて崩れたことに気付くには、まだ、時間が必要だろう。まだ、知的な美少女は太古の海に微睡みながら転がっている。

 姉たる由加里が猥褻な遊びに耽っている間、妹は泣きながら携帯の液晶に見入っていた。病院の大広間たる待合所である。例によって老人たちが屯する、いわば、老人ホームと化しているから、小学生である少女が保護者の同席もなしにひとりいるのは、周囲に大変違和感を与える。しかし、当の郁子はそんなことを全くお構いなしに、ちょこんと、彼女の表情と関係なく、まるで絵画の主人公のように堂々としているのだった。
 因みに、待合い所は病院の喫茶から丸見えである。
 照美と冴子が談笑していた。
「あら、郁子?」
「知り合いですか?」
「妹よ、下の。きっと、由加里の用できたのか・・・・」
 照美は、切れ長の瞳が何を見ているのか気になった。
 ふり返ると、確かに少女はそこにいた。だが、ふたりに全く似ていないことから、他にいるかもしれないと、身体を椅子の外にせり出してみた。しかし、誰もいない。すると、あの少女が由加里の妹なのか。
「あそこにいる小学生ですか?」
「そうよ、西宮家の末っ子・・」
「私は一人っ子だから、そういう感覚、正直わからないんです。羨ましいですね」
「そうかな・・・・・」
 何故、冴子が複雑な表情をしたのか、当時の照美には想像ができなかった。だが、敏感な彼女のこと察しはついた。西宮の家には何やら複雑な迷路が入り組んでいること。照美の慧眼が見たものはそれだけである。
 冴子は妹が気になったのか、急に話へとの集中を解いた。
「とりあえず、永いスパンで考えてほしい」
「だけど、医学部って忙しいんじゃないですか?」
 
 女子大生の鋭い目は妹を追っている。
「医学部か、飽きてきたな。由加里にでも任すかな・・・・」
 先ほどにはない投げやりな物言いである。だが、冴子は照美への観察をけっして怠っていたわけではない。
その証拠に、「由加里」という単語を発したとき、照美の美貌が微かに歪んだことを見逃さなかった。明かに、ふたりの間には何かがある。いじめの加害者と被害者か。元、いじめっ子である冴子はあたかも読心術者のように、 美貌の中学生の心を読み取っていた。
だが、それを知ってなお、この美しい女子中学生を自分のバンドに迎え入れることに疑義を感じていない。冴子の脳内会議は、あきらかに推進派の勝利に終わったのである。反対派は会議に参加することすら許されなかった。
一方、美貌の女子中学生の意識は、由加里の妹から五線譜に戻っていた。言うまでもなく、冴子が並べていたオタマジャクシの紙である。
 書き終わったと思うと、作曲者の手から奪い取った。
「へえ、音符が読めるのか?」
「読めますよ、私を誰の娘だと・・・え?これ・・・・・すごい!」
 思わず感嘆の声を、美貌の女子中学生は上げるのを見て、冴子はほくそ笑んだものである。
 女子医大生は、その笑いに含むところがあったが、それを明かにしなかった。まだその時期ではないと踏んでいるのだ。
・・・・・・焦ることはない、今のところは。
 今、照美は五線譜に見入っている。冴子は、照美が断ったにもかかわらず、支払い明細に1500円を置いて出て行った。
「後で、感想をちょうだいね」という言葉を残すのを忘れなかった。

 自分も帰ろうと席を立ったところ、面白いものが美少女の視界に混ざり込んだ。
「由加里の妹、確か、郁子ちゃんだっけ?」
 冴子は、はたして、末の妹を連れて帰らなかったようだ。
「・・・・・・・・・・・ふふ」
 モナリザの微笑を浮かべる照美。その表情からは、この世でもっとも憎い人間の係累に対する悪意や敵意は発見できなかった。
 

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『由加里 89』



「西宮さん、もう少し、足を踏み込んで下さい」
「ハァ・・・ハ・・あ・・・・あ」
 両者の応酬はプロアスリートとコーチとの関係を彷彿とさせる。
 柔らかいというよりは、季節通りにけっこう強い日差しが入るなか、由加里はリハビリに励んでいる。平均棒のようなバーに両手を添えてよちよちと両足を交互に揺らす。
 腕の骨折はすでに治癒しているので問題はないのだが、まだ痛みが残っているために微妙に両肩の角度が歪んでいる。それがやけに痛々しい。
 しかし、それだけが由加里に息を乱させる原因ではない。実は、この瞬間をも、可南子の企みによって性器に挿入された異物が底意地悪く少女を攻め続けるのだ。股間を丸く覆ったおむつが生じさせる圧力は、少女が感じる羞恥心を倍加させている。
 知的な美少女は訓練士のものではない誰かの視線を感じると、ぷるぷると震えた。
「ハァ・・あ・・はあ・・」
「少し、休みましょうか」
 見かねた訓練士は休みを提案することにした。
 だが、厳しいリハビリよりも怖ろしい鬼が近づいてきたことに、少女は気づいていた。
「いえ、もうすこし・・うう」
「やりすぎはだめですよ、それにお友達も来てくれたことですし」
 若い訓練士は心にもないことを言った。少女の性器に加えられたいじめを知らない彼は、彼女を不甲斐ない、そして耐えることを知らない今時の子供だと軽んじているのである。
だが、既に彼女の股間と気力は限界を超えていた。

「由加里ちゃん・・・がんばっているのね、その様子なら、もうじき学校に来れそうね」
 見慣れた美貌が少女を見下ろしている。いや、照美の美しさはたとえ家族であっても飽きることはないだろう。由加里はそう思った。
「か、海崎さん」
「西宮さん、ベンチで話したらどうですか?」
「そうですね、友人がお世話になっております・・・・」
 絶世の美少女の意識に、このヤサ男はいない。だが、表だけの挨拶はしておくことにする。彼が姿を消しても、 しかし、照美は本性を顕わにはしない。それが被虐のヒロインに、底抜けの恐怖を感じさせた。
「ほら、由加里ちゃん、捕まって」
「ァ・・あう」
 由加里に肩をつかませると、ベンチへと誘っていく。
「か、海崎さん・・・アア・・」
 だが、ベンチが近づくにつれて、しだいに本性らしきものを顕わにしはじめた。
「リハビリにご執心のようね、だけど、いじめられるためにやってるなんて、やっぱり、西宮は本当にマゾの変態なのね、いじめられるのが気持ちいいのよ、変態!」
「ウウ・ウウ、い、痛い!!」
 乱暴にベンチに投げ出された由加里は呻いた。しかし、それは足の骨折のためではない。股間に官能の刺激が起こったのである。それを押し隠すために、なけなしの勇気を振り絞ることにした。あえて、照美に向かって言い放つ。
「か、海崎さん!わ、わた、私は、もう、が、学校に行くつもりは、あ、ありません!!」
「あら・・・ふふ」
 照美も座る。視線が同じ位置になる。
 ここで気づいたことがある。鋳崎はるかがいないのだ。一見、照美よりも野生児めいた彼女は怖いように思える。しかし、ある面においては、親友の行きすぎた行為をやんわりと押さえる役割を果たしているような気がしていた。そんなはるかがいないとなると・・・・。  
 知的な美少女はそら怖ろしい気がした。
「か、海崎さん・・・ウウ」
「何を泣いているのよ、私たち、親友でしょう?」

 この人は何を言っているのだろうと、訝しげに思った由加里だが、歩み寄ってくる人たちを見付けると合点がいった。
「さ、冴子姉さん・・・・・」
「あら、海崎さん」
 しかし、姉は妹など歯牙にもかけていなかった。少なくとも、妹はそう受け取っている。照美はどう考えていたであろうか。挑戦的な視線で挨拶に代える。
「西宮さんですね、お久し振り」
 話は早いと思った。実はゆららから言づてを受け取っていた。それを確かめに病院に足を運んだのである。そこに意中の人間がやってきた。
 ゆららか仕入れた情報をそのままぶつけてみる。
「医学部の学生って暇なんですね、私も医学部を目指そうかしら」
 冴子の肩にかけられたギターに視線を、ごくさりげなくふり向けながら言う。言の葉、葉脈の一本一本にまで挑戦的な意図が流れ込んでいる。
それを冴子は如実に受け取っていた。何てことだろう、こんな子供に全身の神経が鳥肌が立っている。興奮を抑えながら答える。
「そうね、あなたならそう勉強しなくても入れそう」
・・・・・・・まるで姉妹みたい。
 由加里は並んで語り合う二人を見て自分が阻害されているのを感じると、めらめらと嫉妬の炎が燃え上がるのを感じた。いや、姉妹などと思うことじだい、そんなことを考える自分が許せない。
「さ、冴子姉さん・・・・さ」
「ちょうど良かったわ、あなたに話があるの」
 知的な美少女は悔しかった。自分がクラスでいじめられていることは、既に知っている。それなのに、自分とクラスメートである照美に親しげに話すのか。
 彼女がいじめの主犯だということは告げていないが、そのことだけはそれとなく告げてある。そうなら、そんな優しい目ができるはずがない。さいきん、自分にだって向けられたことなんてないのに、ひどい!
 知的な美少女は幼児にように腹を立てた。
 だが、照美が側にいる手前、それを顕わにできない苛立ちをどうしていいのわからずに、涙を浮かべるだけだった。
 しかも、美貌の同級生は女優の才能があるようだ。予想だにしない方法で攻め立ててくる。
「由加里ちゃん、どうしたの痛いの?看護婦さん呼んでこようか?」
「だ、大丈夫・・・・」
 暗く俯いた妹に、姉は冷たかった。
「由加里、あなた、もう病室に戻りなさい。お姉さんは海崎さんに話があるから」
「・・・・・?!」
 (冴子姉なんか嫌い!)と言いたかった。それが涙になって頬を伝っていく。
「由加里ちゃん、行こう」
 半ば強制的に、照美が肩を貸してくる。彼女がまるで刑務所の職員のように思えた。少年院を含めて、少女にはもちろんその経験は無いが、想像での鉄格子の中は少しでも叛意を示せば暴力で躾られるような怖ろしい場所だ。 そこで働いているのが獄吏であり、教室での照美やはるかなのだ。
 目の前に冴子がいるのに、一番の味方の大きな手が自分を守ってくれるはずなのに、美貌の悪魔の好きなようにさせている。
 何故?
「冴子姉さん、なんで、私がいちゃいけないの?」
 それは当然の疑問だった。だが、姉は妹の考えを共有してくれないようである。
「由加里!」
 さすがに冴子の態度には、照美も耳かきに一杯程度の疑問を感じざるを得なかった。彼女が教室における真実を知っていて、それを責めるために自分を呼び出しているのではない。それは、ゆららから聞いた話から真実のようである。
 それならば、何故、妹にこんな冷たい態度を示しているのか、冴子は由加里をなんら宥めることなく車イスに腰掛けさせた。
「押してくれないの?」
「甘えないの、腕は治っているんだから自分で動かせるでしょう?」
 その一言で片づけてしまった。
 すごすごと車輪を手回しする由加里を尻目に、何故か、照美は勝利感を得ることが出来ない。

「さ、病院のカフェテリアに行きましょうか」
 妹に対する態度とは対照的な微笑を自分に向けてくる。その理由がわからないので、尚更怖ろしげに感じる。
「はい」

 だが、その一方、素直に答える自分がいて彼女自身をこんわくさせるのだった。自分はこの状態を楽しんでいるのだろうか。姉妹兄弟がいないとはいえ、よりによって由加里の姉を、しかも鏡に映る虚像のようにそっくりな彼女に親しげな感情を抱くことなどありえるのだろうか。
 だが、怖ろしいことに気づいた。
 ・・・・・・ママにそっくり!?
 髪型が違うのでそれほど気にもとめていなかったが、仕草や表情の造り方をつぶさに観察してみると彼女じしん思いもよらない結論を出していた。
 店員とのやりとりや椅子の座り方など、普段ならば気にもとめないことが参考書の赤い下線部のようにやけに目立ってみえる。
 冴子が注文してくれたコーヒーフロートに口を付けながら、この不思議な女性を見あげる。何だか、時間旅行を果たして若い母親に出会ったような感覚が背筋を這っている。どう話しかけたらいいのかと悩んでいたら、向こうから言葉がかかってきた。

「突然だけど、ヴォーカルとして私たちのロックバンドに加入してほしいんだけど」
「え?」
 あまりに単刀直入な物言いにあぜんとなった。小さな口をあんぐりと開けたままの照美に、冴子はさらに畳み掛けてくる。
「とある理由でヴォーカルがいなくなって困っているのよ」
 この人は一体、何を言っているのだろう。しかし、照美とてただ殴られているだけではない。切り返しをしなければならない。
「とある理由って何ですか?」
「ヴォーカルが少女暴行事件を起こしたの」
 きょとんとした顔で衝撃的な言葉を吐く。照美は相手が由加里でなければ、人が不幸になるのを兵器で見ていられない人間である。いとも簡単にしかも無表情でそんなことを言う冴子に反感を抱いた。
だが、彼女は一方的に話しを続ける。
「そういうわけで白羽の矢を立てたのよ、あなたに」
「どうして、私に?」
 いつの間にか、冴子が描くストーリーラインに乗せられていることに気づいていない。美貌を微かに歪ませた。
 冴子は優しげな微笑に猛禽の爪を隠しながら長言を弄しようとしていた。
「カラオケボックスから聞こえてくるあなたの声を拾った。女性ヴォーカルなんて想定さえしていなかったわ。だけど、あなたの声を賞味したとたんに、そんな考えはあさっての方向に飛んでいった」
「まるで、小説を書いているような物言いですね」
 はるかならこの人と話しが合いそうだなと思った。
「私はあなたの曲も聞いていない・・・・」
「あ、待って!」冴子の大きな手が遮った。筋肉のありようから、鍵盤を弾くんだと根拠のないことを考えた。
「どうしたんですか?」
「曲が浮かんできたの」
 何と、この大人はハンドバッグから五線紙を取り出すと、目の前に照美がいることも構わずに、音符を書き込み始めたのである。
「な」
 何処かで見た光景だと思った。何でもない、それは少女が常に味会わされている迷惑である。根拠が確定したデジャヴューを感じながら、言うべき言葉を完全に失っていた。




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