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『由加里 90』


 テーブルの上に五線譜を取り出して、いや、投げ出すように置くとやや殴り書きするように、オタマジャクシを並べていったのである。
「ふふ」
 思わず微笑が零れる。まるでビデオテープを再生したかのような目の前の出来事に、照美は心が溶かされるのを感じた。あの由加里と酷似しているのに、どうして、この人には憎しみを抱かないのか、その理由はわからない。
 しかし、冴子に好意を抱いている自分に気付いたことは確かである。自我への新たな闖入者をどう扱ったらいいのか、青春の途上にいる少女にはわからないことばかりだが、プライドが高い彼女は、そんな自分じしんを認めたくなかった。
 ロックバンドのヴォーカル。
 現在の音楽シーンにたいして興味を持たない自分だが、その言葉が持つ神話性には覚えがある。
 
 何故かわからないが、この時間が永遠に続けばいいと思った。不朽のものなぞこの世に存在しないことはわかってはいるが、このまま、新しい人間関係に深入りせず、と言って遠ざかりもせずに、曖昧な関係のままで過ごしていたいと、絶世の美少女は考えた。

 
 その頃、精神的にも肉体的にも姉を奪われた由加里は、手足をもがれた牛のような思いでベッドの中にいた。絶えず少女を苛むのは下半身から響く性的な刺激だけではない。それに加えて精神的な苦痛をも倍加されて少女のか弱い精神を侵食していくのだった。それらに煩悶しながら、頭までシーツを被って泣き続ける。
「ウ・ウ・ウウウウ・・・・ウウ」
 誰にも知られたくない。こんな姿を見られたら、それが誰でもすぐに舌をかみ切るつもりにさえなった。
 そんな由加里に声をかけた者がある。
 それは、ある意味、知的な美少女がこの世でもっとも会いたくなかった人間だった。
「姉さん、由加里姉さん!」
・・・・・・郁子?
 小学5年生の妹がこんなところで何をやっているのか。いや、患者の妹ならば病室にいてもおかしくない。いや、何の用でこんなところに来たというのだろうか。
 それはすぐに明かされた。
「ママがねえ、洗濯物とか、持ってきなさいって、それから郁子も用があるんだよ。由加里姉さん、起きてよ!」
「止めて、お姉さん、具合が悪いの!」
 その時、由加里の耳には世にも怖ろしい声が聞こえてきた。いや、声ではない、その内容、つまり言葉が怖ろしいのだ。
「姉さん、オナニーでもしていたの?冴子姉さんに捨てられて、そんな惨めな自分を慰めるためにさ」
「郁子!!」
 おもむろに飛び起きた知的な美少女は、シーツを脱ぐなり妹を怒鳴り飛ばした。
しかし、涙で顔を濡らした郁子が目に入ったとたん、それは自分の哀れな妄想だと気付いた。かき混ぜたコーヒーに溶けるクリームのようなスピードで、罪悪感が脳幹を満たす。
「郁子!」
 今まで聞いた妹の声がすべて幻聴であることを覚ったのである。
 愕然とすべき事実を知って、由加里も黒目がちな瞳に涙を溜め込んでいた。思えば、この妹は、いや、家族は自分を人間扱いしてくれる数少ない人間のはずだった。それをどうしてこんな扱いをしてしまうのだろう。被害妄想に耳を傾け、可愛い妹を否定しまうなどと、とても考えられたことではない。味方の背後から砲弾を放つのも同じことである。
「郁子!ご、ごめん・・・う」
 その時、姉は苦しそうに呻いたが、郁子はそれに気付かない。彼女も溢れる感情に意思を支配されていたからである。
「姉さん、由加里姉さんも、郁子を嫌いなんだね?!」
「も?何を言っているの?ぁぁぅ・・い、郁子?」
 実は、姉の下半身が官能の疼きを感じたのだが、その秘密を知らない郁子には察しようがない。自分を軽んじている故での行為としか思えない。
「姉さんも、冴子姉さんも、ママも、郁子をのけ者にして!みんな嫌いよ!」
「郁子!?」
 洗濯物等、持ってきたものをすべて床にぶちまけて、妹は病室から飛び出していった。いくら退院が近いとはいえつながったばかりの足では、彼女を追うことは不可能である。
・・・・・・一体、彼女は何を言っているのだろうか。
 今まで、彼女の口から聞いたことがない言葉の羅列に、知的な美少女は真冬の次に真夏が来たような感じを味わっていた。急激な気温の変化に体がついて行けない。同じように、妹の変容に心がついて行けないのである。
何という大人びた言いようか、あんなことを考える子だったとは・・・・・。

 何か、彼女にとって許容すべきでない自体が起こったにちがいない。きっと、それが妹に少なからず影響を与えたのだろう。
 そんな風に冷静に分析しながら、全身はいやらしい汗にまみれていた。そして、彼女の股間は猥褻な液体に沈んでいる。既に少女の膣は、もしもその部位が意思を持っていたらのことだが、窒息する思いを味わっている。
「ぁぁぁぃぅ・・・・・・」
 良かった、妹にこれがばれなくて・・・・・・。
 一方では、こんなことも考えている。可愛い妹が危機にあるというのに、姉としての責任から希望しなくても逃れたことに、安堵を覚えている。そんな自分がいやになった。クラスメートのいじめられるのが当たり前と思わなくても、友だちがいないことは当然のように思える。
 大人になりはじめて、そんな自分の嫌な部分を発見したにちがいない。きっと、それが理由でみんな照美や高田 あみるたちに同調したにちがいない。
 圧倒的な自己嫌悪に脳幹を浸していたので、由加里は自分の右手が制御を失ったことに気付かなかった。
「ああアァアウ・・・、あ、私ったら・・・・いや!か、海崎さん、ゆ、許してエェッェェ・・・・あああ・・・ぁ」
 シーツに、白い、そう清潔な白い布に下半身を隠されているために、いや、護られていることをいいことに、知的な美少女は自分の性器を慰めていたのである。
 
 少女が昇華すべき諸問題は、彼女がいかに優れていようとも、あまりに多大で解決すべからざる内容に満ちていた。その唯一の方法は、官能に逃げることだけだったのだ。
 近い未来にそれに気付いた本人は、潔癖性ゆえにさらなる自己嫌悪の深海に沈み込んでいくだけだが、麻薬患者がいっときの快を求めるために殺人さえ犯すように、魔性の白い花に自らの指を食い込ませる。すると、中からいやらしい蜜が湧き出てくる。
 それも宿敵としか言いようがない照美にいじめられて、無理矢理にオナニーをさせられている様子を思い浮かべているのだ。
 あまりも惨めだった。
 自分はあの人非人にいじめられることを欲しているのか。いや、違うだろう。自分は欲する人間と人間的なつながりを持つことを待っているのだ。それが高田でなくて、照美である所以。なんと、あの冷たい笑いを湛える悪魔を好きになっているのだ。
 そればかりか、この後、看護婦に自分の汚らしい身体を拭かれている自分を思い浮かべている場面を想像しながら、右手を、いや、右手ばかりか左手をも動かしていた。右指でクリトリスを摘みながら、左手で膣の内奥を弄り回す。これが少女のオナニー方法である。

「あら、このインラン少女、また、我慢できなかったのね、大腿までいやらしいクサイ臭いがするわよ!」
 そんな声が聞こえるのだ。じっさいに、すべてが終わった後に、「若いっていいわね、おさかんね」とある看護婦に囁かれたのだ。彼女は部屋を退去する前に、自分の指を嗅いでわざとらしく顔を顰めると、神経質なまでに手を洗い続けたのである。水が手洗い場の外に幾つも飛び跳ねていた。それも彼女なりの嫌みの演出だったのだろう。
 由加里は顔が燃える思いを味わったものだ。
 それを思い出して、いや、脚色を施して舞台の中に自分を放り込んだのだ。これには、鋳崎はるかによる教育が効いているのかもしれない。もっとも、そもそも、創作の才能が少女の中に潜在していて、それを刺激したおかげで発芽したということもありうる。しかし、プロアスリートの卵はその尻を押したことは事実である。なお、彼女をも、由加里は自作自演の劇に登場させた。

「は、はるかさん、ぶたないで!ちゃ、ちゃんと、お、オナニーしますからァァアァアア・ア・アあああ、に、西宮、ゆ、由加里は、変態でインランで、ソ・・・そんな姿を・アア・・ア、人に見られるのが好きです・・・・ぁあぁぁぁ・・・・ぅぁうおあう、きもちいい・・・あぃううぅ・・うぅっぅ!」
 その瞬間、腰をその名の通りにエビぞりにして、ようやく絶頂を迎えた。
シーツが完全な惨めさとともにまとわりついてくる。滲み出てくる自らの汗のせいか、塩くさい臭いが自分から漂っているのがわかる。全身が愛液にまみれているような気がした。
 少女が我に帰って、自分のプライドが音を立てて崩れたことに気付くには、まだ、時間が必要だろう。まだ、知的な美少女は太古の海に微睡みながら転がっている。

 姉たる由加里が猥褻な遊びに耽っている間、妹は泣きながら携帯の液晶に見入っていた。病院の大広間たる待合所である。例によって老人たちが屯する、いわば、老人ホームと化しているから、小学生である少女が保護者の同席もなしにひとりいるのは、周囲に大変違和感を与える。しかし、当の郁子はそんなことを全くお構いなしに、ちょこんと、彼女の表情と関係なく、まるで絵画の主人公のように堂々としているのだった。
 因みに、待合い所は病院の喫茶から丸見えである。
 照美と冴子が談笑していた。
「あら、郁子?」
「知り合いですか?」
「妹よ、下の。きっと、由加里の用できたのか・・・・」
 照美は、切れ長の瞳が何を見ているのか気になった。
 ふり返ると、確かに少女はそこにいた。だが、ふたりに全く似ていないことから、他にいるかもしれないと、身体を椅子の外にせり出してみた。しかし、誰もいない。すると、あの少女が由加里の妹なのか。
「あそこにいる小学生ですか?」
「そうよ、西宮家の末っ子・・」
「私は一人っ子だから、そういう感覚、正直わからないんです。羨ましいですね」
「そうかな・・・・・」
 何故、冴子が複雑な表情をしたのか、当時の照美には想像ができなかった。だが、敏感な彼女のこと察しはついた。西宮の家には何やら複雑な迷路が入り組んでいること。照美の慧眼が見たものはそれだけである。
 冴子は妹が気になったのか、急に話へとの集中を解いた。
「とりあえず、永いスパンで考えてほしい」
「だけど、医学部って忙しいんじゃないですか?」
 
 女子大生の鋭い目は妹を追っている。
「医学部か、飽きてきたな。由加里にでも任すかな・・・・」
 先ほどにはない投げやりな物言いである。だが、冴子は照美への観察をけっして怠っていたわけではない。
その証拠に、「由加里」という単語を発したとき、照美の美貌が微かに歪んだことを見逃さなかった。明かに、ふたりの間には何かがある。いじめの加害者と被害者か。元、いじめっ子である冴子はあたかも読心術者のように、 美貌の中学生の心を読み取っていた。
だが、それを知ってなお、この美しい女子中学生を自分のバンドに迎え入れることに疑義を感じていない。冴子の脳内会議は、あきらかに推進派の勝利に終わったのである。反対派は会議に参加することすら許されなかった。
一方、美貌の女子中学生の意識は、由加里の妹から五線譜に戻っていた。言うまでもなく、冴子が並べていたオタマジャクシの紙である。
 書き終わったと思うと、作曲者の手から奪い取った。
「へえ、音符が読めるのか?」
「読めますよ、私を誰の娘だと・・・え?これ・・・・・すごい!」
 思わず感嘆の声を、美貌の女子中学生は上げるのを見て、冴子はほくそ笑んだものである。
 女子医大生は、その笑いに含むところがあったが、それを明かにしなかった。まだその時期ではないと踏んでいるのだ。
・・・・・・焦ることはない、今のところは。
 今、照美は五線譜に見入っている。冴子は、照美が断ったにもかかわらず、支払い明細に1500円を置いて出て行った。
「後で、感想をちょうだいね」という言葉を残すのを忘れなかった。

 自分も帰ろうと席を立ったところ、面白いものが美少女の視界に混ざり込んだ。
「由加里の妹、確か、郁子ちゃんだっけ?」
 冴子は、はたして、末の妹を連れて帰らなかったようだ。
「・・・・・・・・・・・ふふ」
 モナリザの微笑を浮かべる照美。その表情からは、この世でもっとも憎い人間の係累に対する悪意や敵意は発見できなかった。
 

テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト

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