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『由加里 73』
「どうしたの?」
 由加里の剣幕に「お姉さん」は首を窄めた。まるで思いもよらずに熱いやかんに触れたときのように、手を引っ込める。
 少女は泣き続けている。そのようすは梅雨時の鬱陶しい雨音のようだ。
「お姉さん」は困ったような顔をした。
 甘酸っぱい匂いのするこの少女に何の秘密があるというのだろう。
 
 局所を隠そうとするその姿は、たいへん可愛らしく仄かな意地らしささえ見て取れた。白一色だけが支配する殺風景な病院にあって、一輪咲いた可憐な花だった。
 しかし、花びらは溜まった雨水のためにうつむき加減だ。そのために零れた水滴の美しさは、予想外の皮肉というヤツだろう。
 花は、必死に何かを隠している、花弁の奥に眠る秘所を。
 「お姉さん」は同性ならではのカンを働かせた。その瞳には光るものがあった。何事かと見抜いたというかすかな自信が宿っていた。「お姉さん」の見るところ、それは大事なものを護る姿勢ではなかった。何か恥ずかしいものを人の目から避けるような仕草だった。
 「お姉さん」は自分がそれ以上立ち入ってはならない禁猟区に足を踏み入れそうになっていた。そのことに俄に気づいたのである。ふいに優しい気持ちに心が満ちあふれてくるのを感じた。
 しかし、それを表現するためには唯一の方法しかないことにも気づいていた。一言で現ると何もしないこと。それしかなかった。目の前で打ち拉がれてすすり泣く少女にそれができる唯一のたまむけだった。
 ―――私は何も気づいていない。
 そう自分に言い聞かせながら、ナース室へと歩みを早める。
 
 一方、由加里は、掌が火傷しそうになっていた。少女の恥ずかしいトコロは限りなく熱で満たされていた。これ以上触れていたら、火傷で水ぶくれができそうだ。

―――私、照美さんたちに言われるように、本当にいやらしい女の子なんだわ・・・・・・。まったく救いのない反芻に身を委ねながら、自らの掌を見た。そこには納豆のように糸をひく粘液が染みついていた。それから目を背けるために、再び股間に手を這わせる。あたかも少女が直面している現実が、サンタが実在するといった荒唐無稽な嘘だとでも言い張るように。
「イヤ!!」
 小さく脊椎を波打たせると、虐待された鶏のそれに似た声を上げた。
 それは滅びそうな理性へのせめてもの歯止めだった。少なくとも少女にとってみればそのつもりだったのである。
―――だめ、これ以上手を動かしたら、照美さんたちの言うとおりになっちゃう。由加里は普通の女の子だもん。淫乱なんかじゃない!
 しかし、目の前に起こっていることを垣間見ただけで、その思惟に説得力が備わっていないことはあきらかだった。
 少女は、最後の抵抗を試みた。手の筋肉に命じて緊張させることにしたのだ。総指伸筋は、しかし、主人の意思とは正反対の行動に出た。あるいは、主人の意思に素直に従っただけなのかもしれない。それは本人にも永遠に理解できない永遠にあきらかにされない真実である。
 
 神のみぞ知る。

 少女は、自らの性器に指を走らせていた。
―――イヤ! 違う! そんな私はそんな淫乱じゃない!?
 自己矛盾にともなく不快感。そして、快感。
 それは全身の肌を剥ぎ取りたい衝動を伴う。それを防ぐために、あるいは逃亡するためになおさら、 ――――の快感を追う。
怨むならば女性に産まれたことをこそ忌むべきだった。
 しかし、それに気づかずに自分の肩だけに背負わせたのである。その性が本質的に併せ持つ官能への執着は、女性、個人の意思でどうしようもなるものではない。

「ァふう・・・・・ァ・・・いやぁァ」
 風船にマヨネーズを注入したような音が病室中に充満する。
 このとき、由加里の心の中でひとつの葛藤が生じている。責める側と責められる側が同居しているのだ。
 いじめっ子といじめられっ子というわけだ。
 それはいつもの自慰にすぎなかった。ただ、行われる場所が彼女が親しみ育った自室ではなく、囚人のように放り込まれた病室 ―――というだけのことだ。
 この部屋に塗り込まれた白に、少女は裁かれているような錯覚を憶えた。自分の醜い心が刻まれて精査される。細胞のひとつひとつまで、悪の色が逃げ込んでいないか、それこそ、裁判官の目は皿となって、厳格に調べる。
 DNAには、ほとんど使われていない場所がある。そこには、一人の人間の行為すべてが記録されているという。すると、それを開けば、由加里の恥ずかしい行いもすべからく見ることができるというわけだ。

 自慰。

 由加里が逃げ込んだ合法的な麻薬の別名である。
 それは、虐げられた由加里の心が救われるためには、必要最低限の行為なのである。
 その結果、カタルシスを迎えられるわけではない。しかし、溺れると分かっていても手足をバタつかせずにはいられないように、心の平和を求めて虚しい自涜行為に身を委ねなければならない。
 女性の哀しい性だ。
 自分の汗と愛液に溺れながら、由加里は悲しい記憶に心を浸していた。


 ここは、柔道部の旧部室。近いうちに取り壊しが決定されている。かつて、何人の柔道部員が清い汗を流したことだろう。その営々と受け継がれてきた歴史に泥を投げつけている部員がいる。

 約2名。

「な、南斗くん、助けて、お願い」
 由加里は、咄嗟の判断で叫んでいた。仲間割れした片方に手をさしのべる。戦略の基本だが、そんなことは少女の頭の片隅にも存在しない。ただ、女性的な本能にしたがって。救いを求めただけである。
 太一郎は、誠二の行動についていけなくなっていた。良心の呵責に吠えつかれたというよりは、脳下垂体に棲む母親に叱りつけられたのである。
 そう言った方が適当だろう。
 この少年はまだ母親の乳首が恋しいようだ。もしも、彼女が人を殺せと言えば即座に殺すにちがいない。少年の理性とはそれほどまでにひ弱なものだ。母親か父親か知らないが、彼を圧倒する身近な大人によって作用されるのである。すなわち、子供とは側にいる大人によってその行動が支配されるということ。
 それが、太一郎と誠二が置かれている環境のちがいだった。しかし、このとき太一郎は、凄まじい葛藤の力によって身体を引き裂かれようとしていた。

「ォ、オネガイ・・・・ウウ・・ウ・・ウ・ウ」
 泣きながら救いを懇願する少女。
 しかし、太一郎の視線が向かっている先は、その涙に濡れる頬ではなかった。少女の芽乳房によってかろうじて盛り上がったブラウス。客観的に見れば、それは単なる白い布にすぎない。
 何故か、そこだけ余計な温もりを感じた。もしも、赤外線サーモグラフィを通して、由加里を観察したらならばその部分だけ赤く見えるにちがいない。

このとき、少年の目には、由加里ぜんたいが輝いて見えた。まるで黄金の塊だ。煌びやかなその身体は、少年を呼んでいる。少なくとも、彼はそう考えた。 
 白いブラウスの温度も体温によって温められているにすぎない。しかしながら、何も、少年の母親が醸し出す温もりによって、誘い出しているわけではない。

 男が女を本能的に求めるのは、かつての母親を求めているのだろうか。多くの男性が大きな胸を愛するのは、授乳が忘れられないのか。
 太一郎は唾を呑んだ。
 今にも死んでしまいそうな由加里。すすり泣いて彼に助けを求めるその姿は、全身の毛を刈られたマルチーズよりも哀れだ。
きっと、それは少年に理性に訴えかけているのだろう。
そ して、少女の白いブラウスは、少年のリビドーに訴えかけている。皮肉なことに、彼のばあい、どっちに転んでも母親だ。両方とも、夕食のしたくをしながら彼を待っている、コトコトと音がする煮物は、少年を喜んで迎え入れるだろう。

「・・・・・・・・・・」
 少年は無言で歩み寄ってきた。
「そうだよ、太一郎、お前も男だろう? 覚悟を決めろよな」
誠二は、勝手なことを言いながら、少女を抱き寄せる。ペチコートのような柔らかい感触が少年のがさつな身体を宥める。少女の身体の柔らかさは、極上だった。このまま剥製にして持ち帰って、ソファの代わりにしたいぐらいだ。
しかし、ソファの方では自分の運命を喜んでいないようだ。
「ィイヤア・・・・ぁあぁっ!?」
萎んだ風船を踏んづけたような声が、辺りに立ちこめる。それが太一郎の意思を決定づけた。
「そうだね ―――」
「ヒイ!?」
巨大な影によって少女は呑みこまれた。
 その瞬間、由加里は自分の立てた戦略が無惨に崩れ落ちるのを見た。あたかも敗軍が運命づけられた提督のように、自艦隊が壊滅しているのをただ立ち尽くしながら眺めている。何も出来ずに、大切なものが失われていく。
 ほろ苦い敗北感とともに、しかし、何か違う感覚を覚えるようになった。それは自分が置かれている状況とはうらはらに、仄かな安心感だった。
 それは相手が照美や高田と言った同性ではなく、異性である男性だったからであろうか。同性にいじめ苛まれ続けた由加里は、いつしか精神を奇形化することによってようやくバランスをとっていたのかもしれない。
 その異性は、由加里を取り囲んでいた。芽生えはじめた異性へ熱情は、劣情へと著しく変質し、異界の化け物のように少女を蝕もうとしていたのである。

「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ヒ?!」
 太一郎は、無言で由加里にぶつかっていった。それは誠二の行動よりもはるかに自制が効いていなかった。溜まりに溜まった欲情が抜け穴を探して、その身体を右往左往していただけに、出口を見つけたときの爆発力は筆舌に尽くしがたいものがあった。
「おい、太一郎!?」
「・・・・・・・・・・」
 誠二でさえ驚きの声を上げるくらいに、太一郎の変容は突然であり、情け容赦がなかった。それは、少年の気まぐれないたずらをはるかに超えて、暴行という言葉でしか表現できない境地に達していたのである。

―――――シュークリームを潰す感覚に、少年は打ち震えていた。それは、はじめて母親を凌駕する行為だったのかもしれない。てのひらいっぱいに広がるクリーム。あたかも、手の神経に甘みを感じる受容器が発生したかのように、少年は由加里の身体によって甘みを感じていたのである。
甘酸っぱい味を堪能していた少年であったが、由加里にしてみればそれは無理侵入してきた闖入者
であり、インベイダーにすぎなかった。

「イヤ!イヤァァァァ!?あああ!!」
 泣きわめいて抵抗しようとする由加里だったが、同い年の少年ふたりに摑みかかれては、もう抵抗のしようがない。このとき、少女は、はじめて異性の怖ろしさと力強さを同時に感じた。それを敵にしたと味方にしたときでは雲泥の差があることを悟ったのである。もちろん、目の前で蠢く男どもが自己の味方になるとは露ほどにも思わなかった。

 はたしてこのとき ―――――――。
 あの男はどうしていたのだろう ――――――?
―――――――――――。
 誰だったろう?
 言うまでもないだろう。
 そう、神崎祐介、柔道部、部長のことだ。

 狭い世界に生息する中学生としてはこの世でもっとも怖れる人物である。親よりも教師よりも彼は、この男を怖れている。
 鋳崎はるかは、彼女が望む結果のために、祐介という誘導式時限爆弾をセットしておいたのである。さて、そのとおりになったのだろうか。
 しかし、たしかに誘導はうまくいったのだが、不発弾とは言わないまでも、爆弾は時間通りに動かなかった。
 どうしてだろうか? 誠二と太一郎のふたりなど、祐介にとってみればアリほどの存在感もないだろう。アリには咬むという抵抗する手段があるが、このふたりにはそれさえない。ほとんど赤子の手を捻るように、握りつぶせるはずだった。
 それなのに、この男は物陰に潜んで何をしていたのであろう。室内で行われていることを伺っておきながら ――である。

「もう、もう、やめて、やぁめてくださいぃ・・・・・・・ウウ!!」
 鼻にかかった声は、粉塵を上げて室外まで及んでいたはずである。それなのに ――。
 この男は、いったいなにをしていたのだろう。
 自分の後輩が少女を陵辱している。こともあろうに、練習中に ――――である。そもそも、部の領袖がさぼっているのは、どう説明するのだろう ――――ということは、とりあえず抜きにして、祐介が爆弾として機能するのは当然の帰結だと思われたのである。


テーマ:萌え - ジャンル:アダルト

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