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『おしっこ少女 2』

「ウグウウ・・っ!」
 唇を離すと、ふいに、佐竹まひるは軟体動物のようになった。麻木晴海はその手で如実に感じ取っていた。
 しかし、次の瞬間、凍りつくような光を感じた。それを知ってほくそ笑むと、再び、少女を抱こうとした。
 その時 ―――。
 少女が取った態度は、晴海の期待をはるかに超えていた。それは彼女がかなりの上物であることを暗に示していた。
「ナ・・・・・・!?」
 咄嗟に、自分の身体を長身の女性警官から引き離すと、個室のドアに背中を打ち付けてしまった。だが、そんな痛みなど少女にとってみればアヒルの毛で肌を撫でられたに等しい。むしろ、その刺激は少女の怒りを買うことになった。

「・・・・・・・・・!!」
 歯ぎしりしながら晴海を睨みつける少女の姿は、成長途上の雌ライオンを思わせた。しかも手負いだ。
 晴海は満足だった。どんなにひどい状況に置かれていようとも、簡単になびいてこられてはゲンメツというものだ。
「どうしたの? まひるちゃん」
「あ、あなたにそんな風に呼ばれたくない」

―――強がりとは可愛いことで・・・・・。

 晴海は微風を頬に感じた。
 だが、年の功という言葉は伊達に存在するわけではない。2000年のもの間、この邦の先輩たちが切磋琢磨して育ててきた日本語は、単なる記号ではなく、それだけで力を持つ時代と空間を超えた一物なのだ。
 晴海の華麗な口から飛び出した台詞は、少女の立っている土地を根こそぎばらばらにする力を持っていた。

「じゃあ、聞くけど、あなたをそんな風に呼んでくれる人はこの世にいるのかしら?」
「クぅ・・・・・・?!」
 シンメトリーは古来よりヨーロッパ人の審美の基礎と呼ばれる。蛇足だが、ヴェルサイユ宮殿などはその建物だけではなく、庭園などもその法則に叶っている。おそらく、西洋で言う風水のようなものだったのであろう。蛇に3本目の足を描くが、家康が造った江戸という町はまさに風水の産物である。四方を玄武などの神が護っている。
 閑話休題(それはさておき)
 もしも、ヨーロッパ人がこの時のまひるの顔を見たら、さぞかし嘲笑するだろう。その美はかなりいいところまでいっていたにも係わらず、右と左では相反する表情を見せていたからである。
 
 前者は、愛に飢えた幼児の顔、そして、後者はこの世でもっとも憎むべき相手、すなわち、自分のプライドを傷付けた人間に対する憎しみと殺意に満ちた表情を見せていた。
 晴海は、ヨーロッパ人でも、かの世界の芸術を継承する人間でもない、だから、彼らの審美感を愚直に守る必要性はなかった。むしろ、それを破壊する方向にベクトルが働いた。

――――可愛らしい。

 13歳の少女を目の前にして、簡単に感情を露出するなぞ、晴海が描く自画像からかなり外れる。だが、彼女が醸し出すかわいらしさは、彼女の理性を脅かすような要素に満ちていた。しかし、ここは理性を総動員して声の動揺を抑えることには成功した、辛うじて。
「これ、忘れていたわよ、まひるちゃん」
 晴海が差し出したのは一枚の手帖である。合成樹脂の皮が鈍い光を放つ。
言わずと知れた、生徒手帳と呼び習わされた冊子である。
「・・・・・・・・・・・・・・!?」

――――いつの間に、と言いたげに切れ長の瞳を限界まで開いて、晴海を睨み続ける。それは上品な外見に似つかわしくない乱暴な手つきだった。

 こうして、佐竹まひるという人間がこの世に存在することを示すIDは、本来の持ち主に戻った。少女にとって、中学校はまさに世界そのものなのである。
 その重さを晴海は理解していない。取り戻した生徒手帳を大事そうに抱きながらも、涙を流すその姿に不審そうな目つきを向けるだけである。
 さらに涙に濡れる睫を見て、その長いことに審美眼を満足させている始末である。

――――これからのた愉しみだ、などと罰当たりなことを考えている。

「もっと、話してたいけれど、互いにそういうわけにはいかないようね。ま、いいわ。そうだ、携帯を出しなさい」
「・・・・・・・・・・・・ハイ」
 有無を言わせぬ警官の一睨みに顔面に、ナイフを突き刺されると、少女は視線を床に走らせた。
「お高い、お嬢様顔もかわいいけれど。その顔も可愛らしくていいわよ、普通の女の子みたいでね」
「・・・みたいじゃなくて、私は普通の女の子です!!」

――――じゃあ、休日に友だちと映画見に行ったり、雑誌で有名になったアイスを食べたりするんだ、とは、晴海はあえて言わなかった。この悪魔の尖った耳は、まさにそう言いたげにピクピクと動いていたが、どうにか、理性を保ったようである。
「そうね、普通のお嬢さんね ――――これでいいわ、あとで連絡待ってるから」
 互いに番号を交わし合うと個室のドアを開けた。

 微粒子レベルの刺激にすらビクビクと反応する姿は、晴海はサディズムの悦びとごく微量のシステマティクな同情を感じていた。一同の視線を一身の浴びるその姿はまさにそんな形容が相応しい。しかしながら、それを読み取っていたのは、おそらく、この女性警官だけである。避難と同情が微妙に混在した視線に晒されても、毅然とした態度を曲げないその姿からは、具合が悪いのに必死に体裁を守っている気丈なお嬢さんとしか、レッテルを貼れないのだろう。
 そんなまひるに背後からチクチクと見えない針を刺すのは、晴海である。これからどうやってこの獲物を平らげようか。ちょうど、鯛焼きを頭から食べるか尻から食べるか悩む子供のように、少女のほっそりとした肢体を上から下まで舐めるような視線を送っている。
 この時、中学生の少女が怖れていたのは、たった一つの視線、晴海のそれだったにちがいない。
 獲物を睨みつける肉食獣の視線は、紙を燃やそうとする炎の呼吸に等しい。少しでも触れたらいっしゅんで灰になってしまう。だからこそ自分を滅ぼすものに鋭敏に成らざるを得ない。
 
 少女は猛禽の爪に狙われていることに気づいている。そして、すこしでも触れられたらいっしゅんで炎上してしまうことも知っている。猛禽は同時に炎から蘇る不死鳥でもあるのだ。
 しかしながら、それがわかっていてももはやどうしようもない。上空に輝く銀色の凶器に気づいても、なお、無駄な努力とわかっていながら草原をおたおたと翔る兔のように、ただ死と消滅の恐怖から逃亡すること選択せざるをえないのだ。

 食事会は続いていたが、仕事先からの連絡によって晴海は失礼せざるをえなくなった。このまま逃げまどう兔を観察したいという内心の望みを隠しながら、颯爽と個室を後にした。
そのとき、別れ際に見せた氷の微笑をまひるは一生忘れることはできないだろう。母親に囁かれるであろう言葉とともに、少女の中にあるアカーシックレコードに刻まれるにちがいない。
「具合悪いなら言いなさい。先方にも、お姉さんにも迷惑がかかるでしょう?」
「ごめんなさい、お母さん」
 その会話は会が終わりになったさいに、ふとした折に為されたのだが、それは晴海によって聞かれていた。

 仕事先に向かう車の中で、イヤーフォンを嵌めた晴海が受信機を弄っていた。信号が赤に変わって乳母車を押す幸せそうな母親を視界に収めたところで、その会話が耳に入ってきたのである。
 いや、入ってきたなどという自動詞的な表現は、この際、偽善というべきだろう。
 実は小型盗聴器をまひるの生徒手帳に仕掛けておいたのである。その送信機は言わば犬の首輪と同義である。そして、見えない無線は鉄の鎖ということができるだろう。その二つの道具によって、佐竹まひるという少女を縛るのである。
 しかも、彼女にはそうされているという意識はない。だからこそ、自然なデータを晴海は得ることができる。彼女の胸は高まった。だが、この鋭敏な女スパイがそのことにすら気づいていなかった。まるで女優のように、自分の精神と肉体を選別し、かつ、自由にコントロールする術を身につけた彼女が自分の胸にぽっかりと空いた孔に気づかなかった。そして、無意識のうちにそれを埋めるために、佐竹まひるという少女を求めている、あるいは利用していることにも気づいていなかった。

 これからきっと上司であるカメレオンと体面(たいめ)することになるのであろう。そして、提出したデータの信憑性についてあれこれ言われるにちがいない。そのつど、晴海は白旗を上げるやら、あるいは自分が正しいのならば根拠を示さねばならない。
 まひるは、そのようなストレスから解放してくれる道具の役割を果たしてくれると思った。言うなれば、男性にとってのダッチワイフのようなものを求めていたのかもしれない。

 6尺棒と呼ばれる一種の武器を携帯する同僚に敬礼しながら、晴海は警視庁の庁舎内に呑みこまれていく。同時にオーラーの分泌を最低限に抑えなくてはならない。なんと言っても公安という特殊な部署に配属されたのも、彼女のそうした特殊能力に寄るところが題なのだ。彼女の上司はこう言っていた。
「お前は、美人だから本来ならば公安に向かないと思ったが、出会ってみて考えが変わった。どうやら美人とは外見だけのことではないらしい」
 カメレオンは、誰が見てもピンヒールで踏みつけたくなるような老獪な笑いを立てていた。
 職員たちは、どの顔を見ても峻厳な顔をしており、日本国内とは思えない緊張感に満ちている。
 シャーペンをカチカチする音やパソコンの老猫の悲鳴に似た音は、部下を叱りつける声と相まって、ここを戦争の最前線を指揮する大本営と化している。

――――これから戦争でも起こるのか? ここは本当に日本か。

 まるでアメリカ人のように、彼らは敵を必要としている。もしも、それがいないなれば、スパイを使嗾してでも敵を捏造する。
 あの真剣な目つきは敵のいないところに敵を造り出す。言葉を換えれば、ゲームソフトのクリエイターと似ているかもしれない。
 公安とクリエイター。
 両者の間に乖離があるとすれば、扱っているものがフィクションであるという自覚のあるなしに限定されるのかもしれない。
 すると、彼女がまひるに見定めているものは何なのだろう。

 晴海はディスプレイを睨みつける。ちなみに、カメレオンは上司と話し合いの最中ということだ。
 無機質で非人間的なデーターの乱舞の向こう側に、何か、それと反する属性が見えた。
 有機質でごく人間的な ――――。
 それは卵型をしていた。
 すぐに人の顔の原型であることがわかった。

―――私は、コンピュータグラフィックスの技師でもないし、ゲームソフトのクリエイターでもないんだけど・・・・、
 
 うん?
 彼女は ―――。
 彼女は、ふり返った。

――――佐竹まひる?!

 少女は、無機質なonとoffの砂浜で液晶の海を眺めていた。その目はとても哀しそうに見えた、

テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト

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