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『由加里 8』

 「ねえ、ねえ、手錠どうするの?被告って、手錠と腰ひもで引かれてくるんだよ、犬みたいにね」
「それは、縄跳びの紐で代用しよう」

 「・・・・!?」
由加里は、ぎょっとなって、教卓の方を見た。そこには香奈見が座っている。彼女は、裁判長の役を買って出たのである。しかし、由加里は、すぐに目を背けた。とても、かつての親友を見てられなかったのである。

「これでいいよね」
「ぃ。いやあ!!」
「暴れるなよ!」高田は平手打ちを由加里に浴びせた。そして、無抵抗になった由加里の手首を縄跳びで縛ると、そのまま胴体ごと縛り上げた。

「これでいいね、罪人らしくなったよ、西宮らしく」
「お、お願い、もっとゆるめて下さい・・・・」
「ダメ、逃亡の怖れがあるわね、もっときつくてもいいぐらい」
香奈見は残酷に言い渡す。
「どうせなら、リアルに裁判やろうよ、罪人って犬みたいに引かれてくるんでしょう」
「そうね」
「ほら、はやくしな!立て!」
「ひ、痛い!」

 由加里は、まるで犬みたいに引かれた。高田の扱いは残酷だった。乱暴に引かれると廊下まで引き出された。そして、再び元に戻される。それだけのことだったが、由加里にとってみれば恥辱でしかなかった。もともと、おっとりとした性格だが、これはプライドの根源に係わる問題だった。どんなに優しい人でも唾を吐かれたら怒るに違いない。もっとも、いまの、由加里には怒るような余裕はないが。
 
「さ、裁判をはじめよう」
香奈見は、由加里を見下ろした。由加里は教室の真ん中に正座させられている。
「お、お願いですから、縄を解いてください。痛いんです」
「逃亡の怖れがあるわ、だめよね、みんな」
金江が言った。検察官を引き受けた子である。
「賛成!!」
「もっと、きつく縛っちゃえ!!」
クラス全体が、いじめに参加しているのである。由加里に有利なことを言うはずがない。結果、もっときつく縛られることになった。
 
その時、由加里は、かつての感情をむき出しにして懇願した。
「お、お願い!か、香奈見ちゃん!!助けて!!」
「ちょっと、裁判長に失礼じゃない!あんたの友達じゃないんだよ!」
「ひ!」
由加里は、背中を高田に蹴られた。紐はその手に握られているために、吹っ飛んでいくこともできない。
「ううう!」
余計な力は、すべてビニールの縄にかかってくる。彼女をより強く縛り付けられるだけだ。そして、それが高田に握られていることは、由加里のすべて、そう、生殺与奪すら握られているように思えた。あまりに惨めだった。
加えて、涙の理由は、高田の発言を否定しなかったことである。
「あんたの友達じゃないんだよ!」
大粒の涙が床に、何粒も零れる。

「さ、はじめましょう、それから、被告には失礼な言い方は許しませんから」
香奈見は嘲るように言い渡した。それは高田の発言を肯定したも、同じだった。

「被告は、返事をして下さい」
「・・・・・・はい」
由加里は消え入りそうな声でそう答えた。
香奈見は、金江を見ると言った。

「検察官は、被告の罪状を述べてください」
「この女は、みんなが決めたことを守らずに裏切りました。つまり、多賀の授業に出たのです」
金江が用意したような文章を読み上げる。こうして、清和第二中学、2年3組による裁判ごっこが始まったわけだ。

「みんなで決めたこととは、なんですか?」
「暴力教師、多賀の授業をボイコットすることです。それをみんなで決めました」
「それを破ったのですね」
「はい、この女はひとりだけ良い子になりたくってボイコットしなかったんです」
金江は、由加里を指さして言った。
クラス全体も、金江を指示している。

「被告はどうですか?」
「・・・・そんなことないです・・・」
由加里は、涙ぐみながら言った。しかし、彼女に向けられたのは、ブーイングの嵐、嵐だった。涙がかたちのいい頬を伝わる。
「はい、静粛にしてください」
「弁護人は言いたいことはないですか」
クラス全体が、この美少女に意識を集中させた。

「弁護人は、被告の責任能力を問題にしたいと思います」
「責任能力とは」
「この人間には、人間の基本的な部分が抜けていると思います。そんな人間のやったことは無罪だと思います」
 ある意味、照美の言ったことは、誰よりも辛辣だった。由加里そのものの、人間性を否定したのである。
「それじゃ、傷ついた高田さんの気持ちはどうなるのよ」
金江は言った。
「それは、みんなで何とかしないといけない。しかし、今問題なのは、この人間の責任能力の問題だ」
「・・・・・?」

 ふつうの中学生にすぎない金江やその他には、照美の言っていることが理解できなかった。
「この人間には、豚程度の人間性もない、金江さんは豚に、方程式を解けると思うか」
「納得だね」「この人は単なる豚なのね」
「でも、こいつをどうにかしなくていいのかな」
この発言は理解できたようだ。みんな照美に同意する。

しかし、すまないのは由加里だった。例え、いじめられて、萎縮しているとはいえ、もともとおっとりした性格だと言っても、照美の言い方には耐えられなかった。
「ひ、ひどい!」
由加里は、嗚咽をだして号泣をはじめた。
そのために審理が10分ほど停止してしまった。しかし、いくら泣けども、クラスメートは由加里を許さなかった。泣きやむと、審理は再開された。

「ここに、証人である高田さんがいます」
「では、高田さん、質問をします」
彼女は、わざとらしく腰をひねらして、悲しみを表現している。それはあまりにもわざとらしかったが、クラスメートはそれに、最大限の同情を示した。もう、すでに、由加里を責め立てるための舞台はできあがっているのだ。

「では質問をいたします。高田さん、あなたは多賀にぶたれましたね」
「はい」
まるで、そのことが由加里の責任であるかのような言い方だ。そして、それをクラス全体が認めている。
「では、そのとき、被告はどんな表情をしていましたか?」
「笑っていました」
「ここで、もうひとりの証人を申請します」
「田中さん、あなたは授業の後、被告と話しをしたそうですね」
「はい」
嘘!由加里は思った。みんなから無視さえて、つまはじきになっている彼女と誰が会話をするというのだろう。
「ざまあみろ!と言っていました。自分は優等生だから怒られることはないとも」
「ひどい!」
「オマエ、いい気になるなよ!!」
誰かが投げつけた黒板が、由加里の頭にぶつかった。

「裁判長、これには、人間として本質的な何かが、欠けています」
やはり、照美の声はひときわつよく響く。そして、鶴の一声のように、みんなを黙らせる力がある。
「・・・・・・・」
由加里は、何も言えずに照美の美しい顔を仰ぎ見る。なんて、冷たい顔だろう。これは、自分にたけする表情だろうか。それなら、自分は一体、どんなひどいことを彼女にしたのだろう。
 どうして、そんな美しい声で、ひどいことを言うのだろう。“これ”よばわりされた由加里は、もう何も言えなくなっていた。ただ、泣きつづけるだけである。

「・・・?!」
「立たないで!早く座りなさい」
その時、急に立ち上がった由加里。実は、股間に熱を感じたのである。同時に、恥ずかしい下着を着けていることを思い出した。
――――――――ここにいちゃいけない。みんなにバレちゃう!
 犬のように、金江に紐を握られていることを忘れて、縛られたまま逃げようとした。
「あ、こいつ!」
「ひ!!」
当然のように、由加里は転倒した。スカートがふわっと浮いた。当然、中身は見えてしまう、
「あ!すげえ!下着!」
「いやああああ!!み、見ないで!!」
思わず、スカートで下着を隠そうとするが、縛られているためにうまくいかない。結果、恥ずかしい下着をつけていることをみんなにバレてしまった。背筋が凍っていくのを感じた。それは実際に、音を立てて、感じた。
―――――――もう、終わりた。
「痛い!!」
由加里は縛られている腕に痛みを感じた。彼女を弁護するはずの照美が踏みつけているのだ。そして、スカートを無理矢理剥ぎ取った。
「や、やめて!!!やめてぇっぇ!!え!!」
泣き叫ぶ由加里。そんな少女に一片の哀れみも見せずに、みんなに向かって、何か言おうとした。
「見て下さい、これは――――――――――――――」
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