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『由加里2』
『由加里 2』

始業式は退屈なだけだった。まるで、安っぽい何処かのサイトからコピペしたような教師。いや、生徒たちにとって、教師ですらない。なぜならば、この定年間近の校長が、どんな教科を担当していたのか知るものは、誰もいないからである。それは彼の部下である教師たちに至っても、同じだった。それは、西宮由加里も同じだったが、一応表向きはまじめに聞いているふりをした。
いや、このまじめな生徒は、ある程度、真摯な気持をこの校長に対して持っていたのかもしれない。
 
--――――なんだか気に入らないな!この子。

由加里のすぐ後ろにいる長い髪の少女はそう思っていた。
美少女!海崎照美は、そう言っていい少女である。いや、類まれな美少女と言っていい。彼女に比較したら、由加里なぞはふつうの女の子にすぎない。いや、それは言い過ぎだろうか。
それはたぶん内面に帰するところが大きいのだろう。由加里、照美の内面から発する内的な意思の問題である。

--―――――何かしら、後ろから何かちりちりしてくる。

一方、由加里の方でも、照美を意識していた。まだ、両者とも名前以外、何も知らない。出身小学校が違うことくらいは知っていたであろう。しかし、始業式に先だって、教室での自己紹介でも挨拶のひとつも交わさなかったのである。ただ、由加里の第一印象は(なんて奇麗な人なんだろう)一方、照美の方は(何だろう?いけ好かない子!)だった。

---―――――海崎照美さんだったわよね。私、何か悪いこと言ったかしら?そうだ挨拶していなかったのが気に入らなかったのカナ。後で挨拶しておこう。
 この時点においては、照美はあれほど悪鬼になるとは思っていなかったにちがいない。しかし、それを密かに予見していた少女がいる。鋳崎(いんざき)はるか、彼女は同じ小学校出身で親友である。
 ---――――似ている。あの人に、照美は気づいているのだろうか?
おそるおそる親友の整った顔を見下ろす。はるかは身長が高かった。中2の女子の平均身長が159センチの中で、彼女は170センチに達しているのである。一方、照美は167センチだから平均よりもかなり高いが、それでもはるかには叶わない。
 
 「・・・・・・・短い話しでしたが、ご静聴ありがとうございます」
コピペ校長のくだらない話しは1時間30分をすぎて、やっと終わった。生徒も、いや、教師たちでさえうんざりしていた。もっとも、教師たちは教師たちで大変だった。その気持をストレートに出すわけにはいかないからである。 「何が短い話しだ!ご静聴だ!?みんなてめえの話しにうんざりしてんだよ!感受性ねえな、そんなみんなの気持もわからんか!それでよく教師が務まる」
これはある教師の心の中でおこなれた悪態である。

 一方、生徒たちの場所では奇妙な会見が行われていた。
「わ、私、西宮由加里って、言うんだ、こ、これからよろしくね」
「私、海崎照美、よろしくね」
校長の話が終わったとたんに、もうスピードで回れ右をした由加里は、勇気を絞って照美に自己紹介をしたのである。それは突然だったので、周りも照美も驚いた。しかし、照美はそれを内面に押しこめて、顔に笑いの仮面を貼り付けた。

 「・・・!?」
それに気づいたのは、鋳崎はるかと由加里だけだった。由加里は、握手したとたんに、その手の異常な冷たさに気づかされたのである。
「よろしくね」
「あ・・はい・・」
由加里はまるで目上の人間を遇するようなおどおどした視線を向けた。このときに、服従、被服従の関係は出来ていたのである。しかし、はるかにとってみても、それは無意識の領域に属するものだった。ただし、はるかだけはそれを意識的に予見していたかもしれない。
--―――まずい、まずいな・・・。
はるかは密かにそう思っていた。
彼女はしかし、こうも思っていた。
--―――わたしは、あんたがどうなっても味方だからね・・・




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