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『由加里 85』


 まるで雪だるまのように膨れあがっていく妄想でさえ、由加里に恐怖からの逃亡を許さなかった。それはまさに目の前に差し迫っていたからである。
 ミチルと貴子が座を辞したものの、まだ、照美とはるか、それにあの悪魔の看護婦、似鳥可南子が被虐のヒロインを魔性の光で照らし出しているのである。
 由加里は怯えた。あまりに眩しすぎて完全に目がくらむ。いったい、自分はどんな目に遭わされるのだろう。その具体的な内容はわかっているはずなのだが、その背後に横たわる意味と恐怖に注意が行ってしまう。

「や・・・あ、止めてクダサイ、おしっこなんかしたくありません」
 由加里は、自分が人語を喋ることができたことに驚いていた。自分が人間であるという事実すら忘れていた彼女である。その彼女が意味のあることを言ったとき、眠っていた自尊心と羞恥心が蘇ってきた。
 しかし、それは同時に自分でも想像できなかった苦しみと苦痛を、呼びさますことにも通じる。
 少女の幼い性器がくわえ込んだゆで卵は、すでに頭が出ていた。少なくとも可南子の目にはそれが見えていたのである、小陰脚が微かに歪んでいるところを見逃していなかった。  

 可南子はほくそ笑んだ。一方、照美とはるかは理解不能な感情に支配されていた。いたずらっ子が自分の不道徳な行為が目の前で露見されてしまうような、すなわち、恥ずかしいようなこそばゆいような感覚である。
 どうして、この似鳥可南子という看護婦に対して、このような感覚を抱かねばならないのか、二人は理解できなかった。彼女たちの担任が目の前にいて、その行為が露見したとしても、そのような感覚の炎に身体を焼かれることはあるまい。
 だが、当の被虐のヒロインは、自分の身体を骨まで焼き尽くす猛烈な炎に苛まれているのである。

――――アア・・・・ああ、もう、限界だわ。出ちゃう! いや、こんなところで出しちゃうなんて!! 
 人間のもっとも恥ずかしいばしょに異物が蠢いている。その感覚は体験した人間ではないと理解できないであろう。
 由加里は識閾下で慟哭した。無意識の庭に飼っている狼が吠えていた。
 しかしながら、表面上は大人しい子猫が瀕死の呻きをあげるだけである。
「もう、ダイジョウブですから・・・・・・・ウウ」
「そう ――――」
 看護婦は、あっさりと患者の要請を許諾した。由加里は再び耳を側立てた。簡単に引き下がるとはとても思えなかったのである。粘液質で陰険なこの大人の女性が、他人に言われて、それも自分のおもちゃとしか見なしていない由加里に言われて、自分の意思を引っ込めるなど、完全に想定外だった。

―――あ、海崎さんと鋳崎さんがいるから・・・・・・。

 被虐のヒロインは水あぶくのような目を、二人に向けた。絶世の美少女と将来を嘱望されたアスリート少女は、複雑な視線を返した。このまま3人だけならば、この哀れなおもちゃ兼奴隷を思うままにいたぶるだけだが、ここには似鳥可南子がいる。どうしたものだろう。
 目の前にごちそうがあるというのに、簡単には手を出せない苦痛。それは、二人の若いというよりは、より幼いサディストたちの忍耐力を要求する。
 しかし ――――。
 はるかは思う。この似鳥という看護婦からは、何か自分と同じものを流れている。
 彼女が行っているのはもはや看護ではない。看護などという範疇を完全に超えている。それは正常人である彼女ならば簡単にわかることだ。異常と正常の峻別はその行為から導き出せるものではない。彼や彼女がどんなに異常な欲望を持っていようとも、あるいはその欲望を異常と認識できるならば、彼や彼女は正常なのである。もしもそうでなければ、この世の殺人者はみな異常である。よって、彼らはみな無罪になってしまうではないか。
 この点、はるかと照美は完全に正常だが、可南子のばあいそれがかなり危うい。
 だから、二人は先に引き下がろうとした。

「看護婦さん、私たち、用があるから帰りますね、じゃあな、由加里ちゃん」
「ァ、だめ!」
 由加里は小さく叫んだ。だが、その叫びは二人に聞こえないほど小さかった。目を瞑った少女が次に開眼したときには、悪徳の看護婦だけが不穏な笑みを浮かべているだけだった。
「お友だちは帰っちゃったわね、由加里ちゃん」
「ヒ・・・・・・」
 猛獣の檻に放り込まれた子ヤギのように、由加里は光を見ない目で白衣の悪魔を見上げた。
 目前に迫ってくる悪魔の前歯は、何故か異様に白い。プラスティックでコーティングでもしているのではないかと思わせるほどに軽々しいテカリにみちていた。

「由加里ちゃんの秘密がばれなくってよかったわね、ふふふ」
「な?!」
 聡明な美少女は絶句した。この人は一体何を言っているのだろう。ふいに、自分すら騙した。それは別の言い方で欺瞞というが、身体まで騙すことはできなかったようだ。
可南子は妖気を立ちのぼらせながら、そのジャガイモめいた顔を少女の眼前に近づけた。
 ろくろ首―――。
 子供の頃に記憶の肥やしにしたはずの名詞が、今更ながら醜い鎌首を擡げてくる。本当に、この白い悪魔には蛇の頭と胴体があるのではないかと、思わせる妖気を醸し出していた。
「ここに ――――」
 由加里は、悪魔の悪の奥深さとしつこさを思い知ることになる。
「ヒ?!」
 言葉と言葉を句切るのは、何故だろう。由加里は考えた。
 あふれんばかりの恐怖によって沸騰寸前の感情と切り離されたところに、理性の一部が生存していた。それは確かに事態を正確に観ていた。自我が宿命的に持っている生存本能から、完全に自由だったから、事を正確に観察することができたのである。
 だが、それ故に自分から分裂した理性に恐怖を感じたのである。

 人間が外部に恐怖を感じることはない。そのような言明がある。しょせんは、人間は自分の影以外を見ることはできないということである。少女は自分の影に怯えていたのかもしれない。
 可南子は、しかし、確かに彼女の目の前に実在する。
「何を入れているのかしら? 私にわからないとでも思ったの? インランの由加里チャンたら?」
「ァァウウ・・・・あぁ・・・・・ウウウいやぁぁぁ・・・・・あ」
 ミミズのような指が少女の性器に忍び込んでいく。
「ふふん、後でたっぷり可愛がってあげるわ、イケナイ由加里ちゃんには、看護婦さんは忙しいのよ・・ふふ」


 可南子がその炎のようにめらめら燃える舌を、食肉である由加里の身体にむかってちらつかせたとき、照美とはるかは病院のエントランスにいた。自動ドアが開くのを見ながら、二人はどうでもいい会話の花を咲かせていた。
そこで出会ったのはとても小さな少女だった。
「あら、ゆららちゃん」
「あ、照美さん」
 会話が始まるところで、横合いから邪魔が入った。
「おい、ゆららちゃん、いい呼び名があるぞ」
「え? 何?はるかさん」
「良いこと教えてやるんだから見返りがないと ――」
 ゆららは、この二人に対してまだ警戒心を取り除いていなかった。その上、このアスリートに対して恐怖に近い感覚を残していた。照美は、それがわかっていたから、親友を諫めた。
「はるか!」
「ゆららちゃん、向こうで話そうよ」
 優雅な手つきで売店前にある喫茶店を指さした。
 
 大きな鞄を顔が隠れんばかりに抱えている、その姿は、まさに小学生のようである。照美は彼女を目の前にすると、素直になることができる。西宮由加里と出会う以前の、本来の自分に、彼女が自分自身をそう見なしている、戻れるような気がした。
 自動ドアの前で立ち止まったゆらら。そんな彼女に思いやりの気持が働く。じゃあ、向こうの椅子で話そうか。あえて、おごると言わなかったのは彼女の自尊心を慮ってのことである。
「ええ」
 それでも、短く答えたゆららはいくらか気まずそうな顔をした。
 ここで、場を盛り上げようとした人間がいる。
「じゃあ、話を始めようか、てるちゃん」
「な、ちょっと待て!! このウドの大木!」
 絶世の美貌が奇妙に揺らぐ姿を、ゆららは目撃した。
「くす」
 あどけない笑声を振りまく同級生に、はるかと照美は思わず手を打つことしかできなくなった。クラスを代表する二人もゆららを目の前にすると、全く形無しである。二人ともそれを嫌がっているようすはない。むしろ喜んでいる風すらある。

 由加里が地獄のような羞恥を味わった後、精神の危機に苛まれているあいだ、彼女の3人の同級生たちは、つかの間の頬笑ましい時間を過ごしていた。
それを壊したのは照美の一言だった。
「かばんの中、例のアレなんだ」
「え? うん・・・・・」
 とたんに、少女の顔が曇る。
 それを無視して、はるかは話を繋ぐ。
「どう? 様子は?」
「あの人は・・・・・」
 小学生のような同級生が主語を選択するにあたり、どうして、それを使ったのか。照美にも理解できたような気がした。しかし、速やかに事を進めなければならない。はるかの計画通りに、由加里を破壊しなければ、本来の彼女に戻れないような気がしたからである。

「ゆららちゃんを好きになってきた?」
 もちろん、信用という言葉を使わなかったのは、照美の意識によらない作為である。
「あんな人に好かれても・・・・あ」
 少女の物言いには二つの要素が合成している。照美たちに対する配慮とそれによって産まれた由加里に対する悪意である。それが真実なのか偽りなのか、即座には判断しかねる。
「照美さん、聞いてもいいですか?」
「ゆららちゃん」
「あ、照美さん、聞いてもいい?」
 はるかが話の腰を折る挙に出た。

「ち、ち、ちがうな」
 長い指をちらちらさせて、茶目っ気一杯の笑顔を見せる、鋳崎はるか。けっして、クラスで見られない代物だが、それが自分に向けられるに当たって、どれほど、自分の身分というものを理解できていたのか、この時はまだわかっていなかった。
「てるちゃんさ」
「おい、はるか!」
「じゃあ、てるちゃん・・・」
 照美の気色をうかがうようにゆららは桃色の声を出した。そんな顔をされたら無碍に拒否できるものではない。
「まあ、いい、今度だけだかね・・・・で、何を?」
「・・・」
 数秒、時間の停止があって、ようやく、ゆららは言葉をわき水のようにちょろちょろと流し始めた。
「どうして、あの人をそこまで憎むんですか」

――ちがう、私、私が、あの人を憎んでいるの! あの時、あの時の、あの人の顔! それが。

 心と身体は別のことを考えていた。照美の考えなどが問題なわけではない。それは自分を納得させるための方便にすぎない。自分が何処に立っていて、何をすべきなのか。そういうことを把握するには、あえて、照美のことを出す以外に方法がなかった。
 一方、自分の心に入ってくる者に対して、簡単に戸を開くような美少女ではない。だが、ゆららに対しては一定の思いがある。
 相手を自分たちの目的のために利用している、そのことに対する良心の呵責がその思いに含まれていることは、確かなことである。だが、それだけではない。
 高田たちがゆららに対して行っていたいじめを見過ごしていたという、否定できない事実は、何よりもこの美少女の良心に罅を入れていた。由加里に対して行っていることを思えば笑止というほかはないが、彼女に対していじめを行っているという意識は、少なくとも、今のところ彼女にはない。
 だから、由加里のことはこの際関係ない。ただ、彼女に対する圧倒的な憎悪が類い希な美少女の心を支配している。
「それは ―――」
 一語一語区切りながら、いちいちそれらを確認しながら言の葉を縫い合わせる。
「何故だかわからないけど、殺したいほど憎んでいるの、このままじゃ、本当にそうしそうで怖い」
「きっと、照美さんをそこまで追いつめるようなことをしたのね」
 あっさりとゆららが受け答えをするなかで、はるかは驚いていた。自分以外に、ここまで心を許すことに、そして、そんなゆららに少しばかり嫉妬を覚える自分に対して、むかつくような嫌気を感じていた。
 


テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト

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